2022/5/2

【2029年】カウントダウン開始。「プログラミング」を学ばないリスクとは?

NewsPicks Brand Design Senior Editor
 2020年度より小学校でプログラミング教育が必修化され、2022年度からは高校でも「情報Ⅰ」が必修科目となる(「情報Ⅱ」は選択科目)。そして、2025年の大学入学共通テストからは、プログラミングを含む「情報」が受験科目のひとつとして追加される。

これはつまり、2022年入学の高校生が大学を卒業する「2029年」に、多くの新卒社員がプログラミング学習を修めていることを意味する。あなたの企業に配属される新入社員は、プログラミングが共通言語となっているのだ。とはいえ、そんな変化に直面しても行動を起こせていない人は、多々いるのではないだろうか。
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「仕事が多忙である」「重要性は認識しているが、自分ごと化できていない」といった理由で先送りしても、必ず「2029年」はやってくる。プログラミングの学習を先送りすることで、どんなリスクが生まれるのか。未経験者向けのプログラミングスクール「DMM WEBCAMP」を運営するインフラトップ代表取締役/CEOの大島礼頌氏に話を訊いた。

カウントダウンは始まっている

 プログラミング学習自体は数年前より、その重要さは語られており、2020年度より小学校でもプログラミング教育が必修化される。
 そして2022年4月からは、高校でも必修科目の「情報Ⅰ」と選択科目の「情報Ⅱ」が始まるなど、プログラミングが扱われる授業がスタートした。
 2025年の大学入学共通テストからは、プログラミングを含む「情報」が受験科目のひとつとして追加される。
 「そうなると、プログラミングを学んだ学生たちが、2029年ごろから新入社員として社会に出てくる。
 つまり、デフォルトでプログラミングを学んだ若手ビジネスパーソンがこれから確実に増えるわけです」
 こう提言するのが、プログラミングスクール「DMM WEBCAMP」を運営するインフラトップ代表取締役/CEOの大島礼頌氏だ。
「2029年を皮切りに、2030年ごろから徐々に増え始め、ITフレンドリーな新卒社員がどんどん入社してくる。
 社員の多くが、プログラミングのリテラシーを前提としてコミュニケーションをとり、仕事を進めていく状況が生まれる。
 決してこれは、遠い未来の出来事ではありません」(大島氏)

プログラミングはあらゆる業務領域に広がる

 これらはプログラミングに直接的に関わる、AIビジネスやデータサイエンスといった仕事に限った話ではない。
 例えば、採用業務一つとっても、欲しい人材がプログラミングに関してどのようなスキルセットを持ち、それが自社のビジネスにどうフィットするのかを、見極める機会が圧倒的に増える。
「2030年までに、IT人材が最大で79万人不足する可能性があるといわれています。当然、エンジニア採用は喫緊の課題ですが、エンジニアを採用する人材も必要なわけです。
 そんなときに『私は人事担当なので、プログラミングの知識は必要ありません』と言ってられません。当然、ある程度見極めができないといけないのです」(大島氏)
 この数年で、コードがなくともWebページやアプリを制作できる「ノーコード」とされるツールが多数出現している。
 しかし、プログラミングがあらゆる仕事の領域に広がっていくと、それだけでは到底解決できない。プログラミングを「一般教養」として学ぶ必要性は、2029年以降、格段に高まることが予想される。
 それでも現役世代のなかには、頑なに「逃げ切れる」と考えるビジネスパーソンもまだまだ多い。では、なぜ目の前に大きな変化が訪れることが分かっているのに、行動できないのか。
「現役のビジネスパーソンは、プログラミングが重要だと漠然と認識しています。ただ、『まだ自分は逃げ切れる』と考えているのか、切迫感は不足していると感じますね」(大島氏)
 それは、プログラミングが難解そうな代物と認識されるのは言わずもがなだが、「そもそも役立つのか?」といった問いに対し、明確な答えがないのも要因だという。
 また、「仕事が多忙だ」「重要性は知っているけど、自分ごと化できていない」「まだ周囲はしてないから、問題ない」といった理由を盾にして、遠ざけてしまうビジネスパーソンも多い。
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「キャリアップ」「収入増」。学ばない理由はない

 それでも大島氏は「ビジネスパーソンにとって、プログラミングは必ず武器になる」と断言する。
 その1つが「キャリアアップ」だ。
「自分自身の成長や、キャリアアップのための『アップスキル』には様々な方法があります。
 その中でもプログラミングは、スキルだけでなく“付加価値”をつくれるのが大きい。
 そもそもエンジニア自体の年収は高いですし、現状の仕事の延長線上において、付加価値がつくれるので、自分自身の市場価値を上げやすいものなのです」(大島氏)
 例えば、セールスやコンサルタントなど非エンジニアの人は、プログラミングを学ぶ事で、「論理的思考」「業務効率化」などのスキルを身につけられる。
 さらには市場価値の高いプロダクトマネージャーや、データサイエンティストにキャリアアップを望める可能性も高くなる。
 これまで仕事で培ってきたキャリアに、プログラミングのスキルで「掛け算」をすることで、希少性を高められる可能性が高いのだ。
 さらにプログラミングを学び、仕事を請け負えるようになることで、副業やフリーランスとしての収入も期待できる。
 実際、「DMM WEBCAMP」を受講生には、これまで一切プログラミングに携わってこなかったにもかかわらず、卒業の翌月に40万円の案件を受注した人もいたという。
「本業に付加価値を与えられるだけでなく、副業として別軸で仕事もできる。そんなスキルは、他にはあまりありませんよね」(大島氏)

学びっぱなしではなく、“自走”できる人に

 現代を生きるビジネスパーソンにとって、プログラミング知識を身に着けることへの必要性や有用性は言わずもがな、といっていいだろう。
 ただ、大島氏は「プログラミングを学んで単純に知識を増やす」のではなく「プログラミングを学んだ後に、いかに“自走”できるようになるか」が重要だと話す。
「重要なのは、卒業してもプログラミングを自己学習しながら続けていくこと。プログラミングは日々進化するので、不明点があれば、自分でリサーチして、解決しないといけない。
 そのため『DMM WEBCAMP』では、『分からない』を解決できるメソッドや、リサーチ方法のスキルも学んでもらえるように腐心しています」(大島氏)
 また大島氏は、必ずしも「プログラミングって、儲かりますよ」と受講者にベネフィットだけを伝えるのではなく、リアルな視点を必ず受講者に共有するのだという。
「プログラミングを学ぶことで、どんな生き方や働き方が描けるのか。もし転職したいと受講者の方が考えるのであれば、想定される年収の推移や市場動向まで説明し、理解納得してもらっています」(大島氏)

プログラミングが、業務を変えた

 実際に「DMM WEBCAMP」を受講した卒業生には、“自走”しながら自身の業務に活用できている方も多い。
 現在、D2C(Direct to Consumer)のアパレルブランドで働く野口勇磨さんは、会社で利用しているECのSaaSを活用しているが、日々の業務をより効率化し、生産性を上げたいという思いから「DMM WEBCAMP」を受講した。
「弊社で使用しているECのSaaSは、ノーコードでページ作成や販売ができるので非常に便利。ただ、オリジナルでカスタマイズするには、HTMLのソースコードの編集が必要でして……。
 外部パートナーに依頼すると、工数もコストもかかるので内製化できないかな、と思っていたときに『DMM WEBCAMP』に出会いました。
 その際、他にもいくつか候補にあったのですが、どれも短期集中型なので、仕事が続けられなかった。
『DMM WEBCAMP』であれば、4週間で仕事をしながらでも学べるということだったので、決断しました」(野口さん)
 特に評価する点として、野口さんは「メンターが信頼できること」を挙げる。
「カリキュラムもそうですが、全体設計として自分自身の疑問をすぐに解決できるように、気軽な感じでメンターに疑問点を聞けるのが、個人的には有り難かったですね」(野口さん)
 プログラミングを学んだことで、実際の業務には大きな影響があった。これまで課題だったHTMLのソースコード編集も可能になり、分からない点があっても独自で調べ、解決策を提示できるようになったのだ。
 まさに、野口さんはプログラミングを活用し、“自走”しながら業務推進を行える人材となったのだ。さらにプログラミングを学んだことで、自身のキャリアアップも果たした。
「プログラミングを学んだことで、データドリブンな業務の進め方ができるようになった。それだけでなく、仕事の幅自体が大きく広がったのは嬉しいですね」(野口さん)

「DMM WEBCAMP」でキャリアの選択肢を追加できる人生へ

 現在、大島氏率いるインフラトップが運営する「DMM WEBCAMP」では、ニーズに合わせて11つのコース(※2022年4月時点)を用意している。
 例えば、最もニーズのある初心者向けの「はじめてのプログラミングコース」では、HTMLとCSS、Ruby on Railsの概念を理解し、Webの仕組みやアプリケーションの動作について学習できる。
「Ruby on Railsは、日本人の方が作ったプログラミング言語なので、文法が日本語と似ているんですよね。
 少し難しくても、フレームワークは理解しやすいので、ビギナーでもシステムを作れたりする。成功体験を得られやすのでオススメですね」(大島氏)
 受講後には「転職や副業をしたい」と考える受講者に無料でサポートも実施している。学んで終わりではなく、体得したスキルをどうやって活かすか、サポートするのも強みだ。
 また、DMM WEBCAMPでは、未経験者のプログラミング学習に特化した独自カリキュラムを用意しているのも特徴だ。
 そのため、エンジニアの転職もサポートする「DMM WEBCAMP エンジニア転職」では、受講生の多くがITエンジニアへの転職に成功している。
「我々は、人生の選択肢を追加できるような役割を担いたいと思っています。
 ただ現状は、働き方や職種の制限によって、我慢したり、諦めないといけないときがある。そういった課題を、プログラミングというスキルの習得を通して解決していきたい。
 未経験でもスキルを身につけていただくことには、絶対の自信があります。ぜひ『DMM WEBCAMP』で学び、自分の人生をゲームのように楽しめる人を増やしていけると嬉しいですね」(大島氏)