【解説】ウクライナ問題の裏で「難民」を見捨てる国際社会
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欧米諸国は、非常に大規模な支援をウクライナ政府に対して行っています。その予算の分、削られる出費もあります。
途上国への支援、国際協力、難民支援などもそうです。アフリカや中東、南アジア諸国の多くから、援助が撤退し、教育や食料事情、インフラがズタズタになっていきます。
先進国から途上国への援助は、予算額としては減っていなくても、その中身の多くは、「ワクチンの寄付」になりました。
もともと、2020年から21年にかけて、新型コロナウィルスによる景気後退や減税で、先進国を含めほとんどの国は税収が急減していました。
その一方で、米国をはじめとして、日本もそうでしたが、民間への資金供給など、空前の財政支出拡大を国内経済のために行った国もあります。それをする余裕があった国は、運がいい方です。
ウクライナでの戦争は、すでに財政が困窮していた途上国に燃料と食料価格の高騰によって、経済的なとどめをさそうとしています。紛争と難民は、ウクライナ以外でも増加するでしょう。
ヨーロッパ諸国は、移民難民の流入に対して、抜本的に対応を変えようとしています。2015年に、年間150万人がシリアなどから流入してきて、「難民危機」といわれましたが、その数倍、ことによると10倍以上が、ウクライナから移動してこようとしています。
すでにEUは、リビアの軍閥に資金を出して、移民難民が北アフリカから地中海を越えてヨーロッパに渡ってこないように、収容所にとどめ置かせる、という対策をとっています。捕えられた移民難民希望者たちは、奴隷売買の対象になっています。
英国政府が、ルワンダ政府に金を払って不法入国者を引き受けさせる、というのは、リビアの収容所に比べれば、人道面でいえば、まだましです。
中東を民主化して発展させて、難民が出ないようにする、という根本解決は、米国のさんざんな失敗で、もはややろうという国はありません。
これまでトルコやレバノン、リビアに防波堤の役をしてもらっていましたが、もうもたないでしょう。
↓リビアの収容所についての記事
見捨てられる移民たち 「拷問、レイプが横行」する収容所に強制連行
https://www.asahi.com/articles/ASQ1G5J0PQ1FUHBI02F.html難民や移民の受入れに関しては、政治による決着であり民主主義の限界も見えてくる問題。
当然ながら、ポピュリズムとも言い切れない面もある。
国民が受け入れるだけの精神的な余裕があるかどうかが、キーポイント。
難民や移民が来ることで、労働市場や住宅市場に影響がでるのだ。
国の経済が成長していて、労働力が必要で、住宅地に余りがあると、国民は難民や移民に対して寛容になる。
逆に、国の経済状況が悪く、失業率が高く、住宅事情がインフレしている場合には非寛容になる。
倫理や道義の話と、経済と政治の話の対立になりやすい問題なだけに、一概に画一的なルールメイキングとなると、なかなかに難しい。
翻って見て、今の日本に難民や移民を大量に受け入れるだけの素地はあるか?考えてみたいところですね。これは大変重要な記事。
難民受け入れ拒否(およびウクライナ難民は受け入れるというダブルスタンダード)は国際的潮流なのですね。
日本でもウクライナ「避難民」を、今後は「準難民」という扱いにするようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3ef2a0306aaa5f6dd673aaa2ed588d98d8edd832
https://news.yahoo.co.jp/articles/e4fc7f80e9afb7d7cfc4af73807ed7462312b2a4
ウクライナについては冷戦的構造で(要するにロシアへの嫌がらせとして)難民を引き受け、その他の難民は人道的に扱わない。
なんだかなぁ……