この連載について
企業経営の常識が一変した。黒字事業すら売却し、10年でビジネスを入れ替えるほどのリストラクチャリングが増えている。改めて企業という存在を問い直し、人材資本経営、働きがい経営など、変化の最前線に迫る。
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TDK株式会社(ティーディーケイ、英語: TDK Corporation)は、日本の電気機器製造会社である。日経平均株価の構成銘柄の一つ。 ウィキペディア
時価総額
2.63 兆円
業績



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Apple Inc.(アップル)は、アメリカ合衆国の多国籍テクノロジー企業である。カリフォルニア州クパチーノに本社を置く。デジタル家庭電化製品、ソフトウェア、オンラインサービスの開発・販売を行っている。 ウィキペディア
時価総額
445 兆円
業績



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ただ、記事にあるように、テープなど自社のブランド製品をやっていたことによる認知は、TDKの方が大きい。小さい頃イギリスに住んでいたのだが、ピカデリーサーカス(日本なら新宿アルタみたいな感じ?)にTDKの広告があったのを今でも覚えている。日本の会社かも知らないけど覚えているわけで、そういう認知。
Intel入っているは、直接顧客接点がない企業のブランドとして最強の一つなのだが、TDKは最終製品をやっていたことによって得られている認知は資産の一つだと思う。
TDKは「東京電気化学工業」の略。記事にあるように、東工大出身者の創業者たちがフェライトを事業化するために創った会社。
電子部品メーカーだが「化学」という言葉があるように、電子部品のなかでも化学技術を使っている領域。フェライトは磁性材料でセラミックスの一種。それをどう応用するかで、テープやHDDヘッド(これらは磁気を利用した記憶・読み取り)、コンデンサ(セラミックス)、モーター用磁石(コア)などに広がる。またそれで技術面では素材、焼成など、顧客接点では最終顧客だけでなく電子機器メーカーや自動車・自動車部品メーカーとも生まれる。そしてその顧客接点を通じた次世代技術の開発などが、次への資産になる。
そこに失敗もしつつ、買収などもしながら投資をしてきたからこそ成長してきた企業だと思っている。
昨日コメントしたが、バブル前後の20年間くらいにどれくらい企業・構成員が事業経験・決断をしてこれたかは、めちゃくちゃ効いていると思っている。その一つの具体例だと、記事を読みながら改めて思った(TDKは中小型株ではないが…でも昔は総合電機に比べて隠したに見られていた、今は電子部品や半導体装置メーカーの方が総合電機よりはるかに評価されている)。
https://newspicks.com/news/6938133
このブロックバスターとは、製薬業界のワードで、画期的な新薬。その会社の業績をけん引するものです。ただし、万馬券を当てるよりも、登場する確率が低いと言われています。
実は、TDKのリチウムイオンバッテリー事業は、まさに万馬券。2005年に100億円で買収した香港の会社が大化けし、会社の売上高と利益の大半を稼ぐようになりました。
ある時、「TDKのバッテリービジネス依存どないすんねん」について議論しました。しばらく議論したうえ、私はTDKは、製薬業界を参考にしなければならないとひらめきました。
何がヒットするかわからない今、まんべんなく伸ばすことは難しいものです。あれだけ投資したけどさっぱりな事業、逆に小さな投資が大化けするような事業は、いくらでもあるはず。ただし、ブロックバスターと呼ばれる大ヒットした薬も、いつか特許切れを迎えます。稼いでいるうちに次のブロックバスターを模索する。
これは、個人のキャリアにも当てはまるはず。
専門性がかつてなく求められる中、ジェネラリストよりも特定のスキルに秀でたスペシャリストの活躍が増えるはず。ただし、専門能力には流行り廃りがあるので、その専門性が流行っているうちに、次の専門性を模索する。
このようにして、企業も個人も、何でも屋さんから何かしらの専門・プロになりつつ、ただし、常に専門を変えていくので、長い期間で見渡すと、企業も個人もいろいろやっていることになります。
そうなると、企業で一貫する資産はブランドや人材、新たなものを生み出す企業文化や、失敗を恐れずにチャレンジする風土ということで、それが会社は単なる箱なので事業ごとにバラバラにしてもよい、とすると失われるものとも言えます
逆の言い方をすればそれが残るのであれば個別の事業は入れ替わっても良いということでもあり、そこを見極めることが非常に重要になるということでもありますね
この記事で一番読んでおいてほしいのは、以下のくだりです。日本の常識は世界の非常識
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日本人だけが集まって均質的な集団になってしまったら、TDKらしくないなと思っています。
大切なのは、議論の多様性だと思います。TDKでは、執行役員17人中、日本人が9人、非日本人が8人と、ほぼ半々で構成されています。
ありがたいことに外国人執行役員は「空気を読まない」ので、ストレートに意見してくれます。
例えば、会議が2時間も続けば、日本人であれば「そろそろ終わりにするころかな」と思うかもしれません。そんな時にドイツ人が質問してくれば、アメリカ人が意見をぶつけてきます。
しかも、「バッテリー担当じゃないので、私には分かりません」などという人はいません。
こうして侃侃諤諤(かんかんがくがく)と議論をしていくうちに、日本人も鍛えられます。こうして、多様な意見が出る風土が生まれます。
買収した会社の社員も優秀ならばどんどん抜擢し、社内にメッセージを放つ。かつて買収された会社の社員はどんなに優秀でも、買収した会社の最後尾に並び直すと言われた時代もありました。しかし、そんな悪習は過去の遺物。そう思うと事業売却3.0時代、プロジェクトエコノミー時代をサバイブする気力も湧いてきます。
外国人を役員に登用するのはすごく重要なことで単一民族国家の日本の角が立たないやり方をぶち壊してちゃんと議論を進めてくれる環境があるというのは非常に重要なことだと思います。