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【全録】プーチン、独裁22年のすべて(後編)

NewsPicks編集部
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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    ロシアは世界観にとりつかれています。ドストエフスキーの『悪霊』や『カラマーゾフの兄弟』がわかりやすいですが、ロシアは神に選ばれて世界を救済する人類史的使命を与えられているのだ、という信念にとらわれて殺人を正当化する登場人物がやたらと出てきます。『罪と罰』でも、要は貧乏学生が高利貸を斧で殺して金を奪うのですが、論文など書いて殺人を正当化し、自分が使命を与えられた特別な人間であると本気で信じています。
     こういう妄念は、19世紀のソロヴィヨフやイワン・イリイン、現在生きている人物だとアレクサンドル・ドゥーギンなどの思想家に典型的に見られます。
     ノーベル文学賞を受賞したソルジェニーツィンも、ソ連で収容所に入れられていたので民主化の闘士のように扱われましたが、一面では、ロシアが神から与えられた使命についての熱烈な確信者で、だからこそ教会を守ろうとしてソ連と敵対しました。
     「日本文明が世界を救う」みたいなことをいう日本人もいないわけではないですが、本気にする日本人はごく少数です。ロシア人はロシアの人類史的使命を上から下まで本気で信じてしまう国です。ある種の、インテリです。
     ロシアは、実態として暴力によって国民と諸々の少数民族を支配し、搾取と略奪によって経済を回す国ですが、文学、音楽、スポーツ、いずれも世界最高水準で、歴史に名を遺す自然科学者を輩出してきました。いわば、インテリ・ヤクザの国といえるでしょう。
     プーチン体制に戦争を準備する猶予を与えたのは、「中東民主化」と「テロとの戦争」でした。2001年以来、ブッシュ政権やオバマ政権は、ロシアに対処する余裕がありませんでした。
     実のところ、アル=カーイダやイスラーム国などは、学生上がりの政治ごっこをしている集団に過ぎないし、ターリバーンも自分たちの郷土の外には関心が無い前近代の学生団体です。放っておいても欧米に影響が出るような勢力ではありませんでした。
     ロシアは、中東の武装勢力のような、地元のことしか興味のない集団とはわけが違います。
     プーチン大統領以下、ロシアの指導層は、欧米諸国が構築した世界秩序に綻びが出てきた現状に、ロシアの人類史的使命が来たと思い込んでしまいました。始末が悪いことに、秩序を壊そうとしている張本人がロシアなのですが、まず破壊から始めようとするのも、使命感に目覚めたロシアの基本パターンです。


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    国際政治アナリスト 危機管理コンサルタント

    非常に説得力のある、読み応えのある素晴らしい記事だと思いました。
     この記事を読んでいて、私が尊敬するある日本の元外交官の方の話を思い出しました。2003年の米国によるイラク戦争の頃でしたが、私はその方に米国が戦争を開始した動機や狙いについて、当時自分ながら分析したことを話すと、その方はこう言いました。「菅原君、君の分析で欠けているのは、絶対的な権力を持つと人は狂うという点だよ。我々はこんな事もできる、こんな兵器もある」、そういうことを部下たちが次々に言ってくる、そういう状況に何年もいると、人は何でもできるようになると考えるようになる」。
     だから当時のブッシュ大統領も普通の感覚からすれば「狂っている」のだ、とその方はおっしゃっていました。それ以来、政策決定過程において「絶対的な権力を持つと人は狂う」ということを忘れないようにと心がけてきました。
     この記事を読むと、プーチンが20年かけて「狂っていった」経緯がよくわかります。大国にそうした指導者が現れたときに、他国はそれを止めることができない。その現実に、いろんなことを考えさせられますね。


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    慶應ビジネススクール 教授

    前編も含めこの記事を読むとクリミア侵攻が実は想定外どころか必然であったのではと思わされました。「やや用心深い男から、かなり用心深い男になり、やがて傲慢な男になり、いまや誇大妄想的な男になりはてた。」と言う指摘はなるほどだと。

    それにしても、ブッシュ、オバマと大統領が変わる中で、虎視眈々とチャンスを狙うプーチン大統領の執念みたいなものを考えると、政権(あるいはリーダー)交代の難しさを感じます。権力は腐敗する一方で、迷走する権力は組織のフォーカスを散漫にしてしまうことは企業でも同じだろうと思います。


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