2022/4/7

【スタンフォード流】自己肯定感を高める「科学的」メソッド

NewsPicks編集部
まるで預言者のように、新しい時代のムーブメントをいち早く紹介する連載「The Prophet」。今回登場するのは、全米トップ校が教える自己肯定感の育て方』の著者であり、スタンフォード大学オンラインハイスクール校長の星友啓氏だ。
「自己価値を感じていると、勉強の成績や仕事の業績も上がる」という報告が存在するが、日本人の自己肯定感はそれほど高くない
さらに、コロナ禍によって仕事と私生活にパラダイムシフトが起きており、ますますメンタル面への負担が高まっている。
こうした状況下で、私たちはどのようにして、心身の健康を維持していけばいいのだろうか。
数々の生徒たちのパフォーマンス向上と、メンタルケアに目を向けてきた星氏の見解を交えながら、自己肯定感を高める「科学的メソッド」を探っていこう。

INDEX
  • 自己肯定感で得する人、損する人
  • そもそも人間はネガティブな生物
  • 悩みを相談すると損をする
  • 必須スキルとしてのメンタルケア

自己肯定感で得する人、損する人

どのような国際比較調査のデータを見ても、日本人の自己肯定感は、欧米人のそれと比較して著しく低いという結果が出ている。自己肯定感が低いということが一概に「悪いことだ」とは言えないものの、得をするケースはそう多くないだろう。
ビジネスシーンにおいて、その傾向は顕著だ。『ハーバード・ビジネス・レビュー』2012年5月号は、「幸福感の高い社員」の生産性は、そうではない社員よりも平均で31%高く、売り上げは37%、創造性にいたっては3倍高いと発表している。
また、人生の満足度が高い従業員が働いている小売店の店舗面積利益は、他店のそれよりも21%高いそうだ。
(写真:EmirMemedovski / iStock)
説明するまでもないが、ネガティブな感情で毎日を過ごすよりは、ポジティブな感情で朝を迎え、充実感とともに一日を終える方が、よっぽど気分がいいだろう。
とはいえ「自分はもともとネガティブな性格だから」と、日々の中に充実感を得ることを諦めてしまう人が少なくない。果たして、自分自身で自己肯定感を高めることなど、本当にできるのだろうか。