【超入門】IPCC報告書から読み解くリスクとチャンス
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2月末に公表されたIPCCの第6次評価報告書について、レビューエディターを務めた三村信男・茨城大学特命教授に噛み砕いて解説していただきました。地球温暖化の自然や社会への影響、被害を軽減するための適応策などについて、日本を含む世界各国の科学者が協力してまとめた最新の報告書です。
気候変動の影響は、貧しい国や地域、社会的弱者ほど大きく受けるという報告書の指摘は重いです。また、温暖化を少しでも食い止めるための緩和策と同じくらい、適応策も大事だということについても理解が深まるお話でした。
ちょうど報告書作成の詰めの会合期間中に、ロシアによるウクライナ侵攻の開始が始まり、ウクライナの科学者たちが離脱を余儀なくされるなどの影響もありました。それについては、3月4日のニュースレター(無料音声番組)でお話ししたのでこちらもぜひ。
https://newspicks.com/movie-series/76?movieId=19092月末に公表されたIPCCの第6次評価報告書について、茨城大学特命教授の三村信男さんに解説していただきました。
三村さんは1989年に初めてIPCCに参加し、その後30年以上、気候変動の問題に携わってこられました。報告書では、まとめの章のレビューエディターを務めています。
今回は、30年超の経験の中でも「これまで以上に深刻度が実感できる内容になっている」とのことです。
解説記事はかなり噛み砕いた説明になっているので、「IPCCってなんだか難しそう」と思われる方でも、全体像をざっくり理解していただけると思います。
4月4日には、CO2排出削減策の評価を担う第3作業部会の報告書も公表される予定です。専門家の知見を結集した「虎の巻」を読み解く一助になれば幸いです。大きな災害が起こった後に「これは温暖化のせい?」とよく聞かれます。
近年は解析に時間がかかるものの、その災害(正確には災害をもたらした気象現象)に温暖化がどれくらい寄与していたかを知ることができるようになり、先の問には「YES」と答えることも多くなりました。
温暖化が原因で気象が極端化しているので、それに備えましょう、といった防災対策は、一つの「適応策」です。
日本人は文化として「自然には逆らえない」とする気持ちがあるようです。地震の多い日本だからこその価値観で、自然を支配対象としてみてきた西洋とは異なるものがある気がします。
確かに自然そのものには逆らえないのですが、その自然環境を悪化させているのは人間の活動です。記事にもありますが、自然(地球)をこれ以上荒ぶらせないように、「適応」だけでなく「緩和」も求められます。