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【完全解説】日本人が学ばなかった「安全保障」の基礎知識

NewsPicks編集部
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  • 慶應義塾大学 教授

    戦後日本では、半世紀を超えて安全保障政策をめぐるイデオロギー的対立が続いてきました。どのような立場で書いても、それとは異なる立場の論者の方からご批判を頂くことになるかと思いますが、ウクライナ戦争の最中での今回の特集が契機となり、日本のあるべき安全保障政策をめぐる議論が深まればと思います。

    「集団安全保障」と「集団的自衛」の違いや、国連憲章で集団安全保障を実行するまでの過渡期的措置としての集団的自衛権の行使など、日本では一般的な理解が必ずしも広まっていないところなどを、お読み頂ければ幸いです。またあわせて、より詳しくは、拙著の『国際秩序』(中公新書)や『安保論争』(ちくま新書)、私が編者の『軍事と政治 日本の選択』(文春新書)をご覧頂ければ幸いです。多少なりともご参考になれば幸いです。

    日本では、安全保障政策をめぐる議論は、学問や政策論争ではなくて、いわば「宗教」となっており、「宗教戦争」のような様相がありました。これがこれからは、考え方や立場が違っても、相互に罵り合ったり嫌悪することのない、米英におけるような冷静な学問的な論争、政策論争に変わっていけばと願っています。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    「戦争を起こさない仕組み」のために、世界史上、多くの人々が知恵を絞ってきたのは事実です。
     現代の欧米主流の安全保障は、古代ローマ以来の「帝国」による平和という発想を基礎にしてきました。
     Peaceの語源は、ラテン語のpaxですが、「パクス・ロマーナ」から「パクス・ブリタニカ」、「パクス・アメリカーナ」に至るまで、帝国の存在が、平和を実現すると考えられてきました。
     要は、圧倒的な一強が存在して、戦争が起きないように、にらみをきかせていれば、戦争は起こらないだろう、というものです。金持ち喧嘩せず、なので、強い帝国は、戦争が起きずに貿易が円滑に発展することを望みます。
     「帝国」には、モンゴルや中国の諸王朝を含むこともできるでしょう。実際、帝国の存在は、完全ではないにしても、相当程度、戦争の発生を抑えてきました。
     ところが、帝国による平和は永続せず、ゲルマン民族の大移動や、辺境の反乱(20世紀だとベトナム戦争やアフガニスタン戦争)によって徐々に崩れていくことが繰り返されてきました。
     そして、ヨーロッパでは、17世紀、カトリックとプロテスタントの対立により、30年戦争などの大規模で長期の戦争が続き、神聖ローマ帝国は、戦争を起こさない仕組みとしては全く機能しませんでした。
     そこでつくられたのが、1648年のウェストファリア条約に基づくウェストファリア体制でした。全ての国は平等な「主権」を持ち、主権は侵害されてはならない、という取り決めでした。
     この「主権国家は全て平等」というのが、「帝国」による安全保障と合わされた、現代まで続く安全保障のもう1つの仕組みです。
     1928年、パリ不戦条約が締結されました。「全ての主権国家は他の主権を侵害しない」という条約で、この条約に全ての国が加盟すれば、戦争は無くなるはずでした。
     しかし、実際は、次々に戦争が起きました。「主権を侵害されたのは我が国の方である。主権を守るための自衛の戦いを行う」という名分です。現在起きているウクライナでの戦争で、ロシアもそう主張しています。
     第2次世界大戦後、米国は「帝国」としての安全保障を整備していくとともに、国連の安全保障理事会をつくりました。5大国がにらみ合いながら、各国の主権を維持する仕組みのはずでしたが、「帝国」による抑止も「主権国家の平等」も挑戦を受けるようになってきています。


  • NewsPicks 記者

    今回取材していて興味深かったのは、日米同盟に対する認識です。日本の防衛は多くの部分を日米安保に依存しているというのは前提で、「戦争になったら、アメリカが日本を守る義務がある」という認識もある程度、定着しています。一方、専門家や関係者に取材してみると全然認識は違い、「米国が日本を守る義務なんてない」と当たり前に言います。

    実際、アフガンやウクライナで世界が目の当たりにしたのは「介入しないアメリカ」でした。もちろんこれらの国と違って日本は同盟国なので、同じというつもりはありません。ただし重要なのは、アメリカに政策判断の余地があり、アメリカがもはや世界で唯一の超大国ではなく、戦争そのものに世論がうんざりしているという状況だと思います。

    リスクとは「起きる可能性」と「起きた時の結果の甚大さ」の掛け算だと言われます。ウクライナを見れば分かるのは、戦争が起きてしまったら取り返しがつかない状況が生まれてしまうということです。ではどうすれば、日米同盟や秩序は機能するのか。ウクライナ危機は日本の安全保障や世界の秩序にとってどんな意味を持つのか。国際政治学者、細谷雄一先生の解説です。


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