東電管内停電２０９万軒 首都圏在来線は運転見合わせ
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東京電力管内で209万軒の停電。UFR自動動作による停止だそうです。
北海道の胆振東部地震の時にだいぶ解説したのですが、電気の鉄則は「同時同量」といって、瞬時瞬時、使う量（需要）とぴったり同じ量を発電する必要があります。
在庫を持つことができないので、必要とする量をその瞬間に発電するわけです。そして需要と供給がぴったり合っているときには周波数が一定に保たれるのですが、供給力が急に減ると周波数が急激に低下します。その系統（発電所から送電線、変電所、配電線を通って皆さんが電気を使うまでをつないでいる血管のようなもの、と想像するとわかりやすいかもしれません）に繋がっている需要を切り離して（停電させて）、何とかバランスを取り戻そうとする、という機能があるのですが、それが動作したということですね。
こうやって一部を切り離すことで全体のバランスを取り戻すことに失敗すると、全域停電（北海道全道停電のような）になってしまい、そうなると復旧には相当時間がかかります。復旧段階でも同時同量を保たねばならないので、セオリーとしては自流式の水力発電を立ち上げ、それと同じくらいの需要を復旧させ、それを「種火」として徐々に供給力と見合うだけの需要に対して送電をしていく、ということになるので、時間がかかるのです（その点、2018年9月の北海道全道停電は、復旧がものすごく早かったと話題になりました。また、私が習ったセオリーはあくまで一つのパターンだと思います）
すみません、急いで書いたので雑な解説になっていますが、下記資料のP7、８あたりの図をご覧いただくのが分かりやすいと思います。
https://www.occto.or.jp/iinkai/hokkaido_kensho/files/hokkaido_kensho_03_sankou_02.pdf
停止している発電所
https://hjks.jepx.or.jp/hjks/
東電パワーグリッドウェブサイト
https://teideninfo.tepco.co.jp/
追記：大塚さんがとても分かりやすく解説してくださってますね。「家が隣同士でもていでんしていたりしなかったりするのは、変電所のブロックが異なるため」というのは仰る通りで、東日本大震災後の計画停電では、それが伝わらず陰謀論なども飛び交ったりしましたが、そういうことなのです。大規模停電が起こる仕組みは，
1. 強い揺れから設備を守るため火力発電所などが緊急停止．
2. 電気の供給量が減ると電気を集めて分配する変電所単位で供給系統を切り離すUFRが作動，需給バランスを取ろうとする．
3. 切り離されたブロックごと停電する．
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/why_teiden.html
資源エネルギー庁記事より要約
家が隣同士でも停電していたりしなかったりすることがあるのは，その家がぶら下がっている変電所のブロックが異なるため．急な停電，仕組みが分からないと何が起きたかとあれこれ想像力が働き怖くなるかもしれないが，仕組みが分かれば怖くない．都内で約70万件。地域としては結構広くなっており、大田区、江東区、墨田区、練馬区、文京区などが5万軒以上の停電。
下記の東電のページに詳細あり。
全域：https://teideninfo.tepco.co.jp/
都内：https://teideninfo.tepco.co.jp/flash/13000000000.html
鉄道については、止まっているものが多いものの、再開しているものもある。JR、都営地下鉄、小田急、京王、京成、京浜は全部もしくは大部分が止まっている。メトロ、東武、西武は運転再開（2425現在）。
各線の詳細はヤフーのこちらがオススメ。
https://transit.yahoo.co.jp/diainfo/area/4
停電というと、北海道地震を思い出す。その時は夜で地震が起きて急に電気を使うようになって、需給が崩れた。
今回はまだ原因分からないが、全部のところが停電しているわけではなく、また200万件なったあとは連鎖が広がっていないように見えるので、違うパターンなのではないかと思うが…
