新変異株「デルタクロン」を確認=ブラジル
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もはや名前遊びのようになっていますが、ここで言われる「デルタクロン」はデルタとオミクロンの両者の変異を併せ持つとされる新たな変異ウイルスです。デルタとオミクロンが同時に同一人物に感染を起こした場合、それぞれの特徴を持った新たな変異ウイルスを誕生させることができます。裏を返せば、この変異ウイルスの誕生は、両者の同時感染がどこかで起きていたことの証左でしょう。
ただし、現状オミクロンのBA.2が流行中の地域では、BA.2が急速に拡大をしており、このデルタクロンがオミクロンを凌駕して感染流行するような兆候は見られていません。
また、データは不足していて確定的なことは言い難いものの、デルタを凌駕する形でオミクロンが広がったことを冷静に考えれば、オミクロンがデルタの変異の一部を獲得してしまうことは、感染の広がりやすさとしては、「後退」を意味するかもしれません。そのようなことからも、今のところ懸念すべきウイルスとは考えられていません。デルタ株、オミクロン株両方の特性と言える理由は、それぞれに特徴的な遺伝子配列を両方有するからですが、仮にオミクロン株の強い感染力とデルタ株の強病毒性を獲得していた場合は、オミクロン株の感染拡大の勢いでデルタ株の時のような重症化移行が見られますので警戒されています。しかし、実際にヒトにとって不都合な両方の形質が獲得されているかはわかりません。警戒しながら続報を待つしかありません。