ロシアで「頭脳流出」進む 数千人が海外へ脱出、ウクライナ侵攻で
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歴史的に見て、頭脳人材の流出は、不可逆性が高い。また、今回の事による急激な人材流出は歴史的に始めてであろう。(急激でないのが、ソ連崩壊)
イスラエルでは、旧ソ連崩壊時に、当時人口600万人程で、100万人程度の移民を受け入れたとされる。いわゆる現ロシア地域以外からの移民も多く、高度人材(医者、技術者、弁護士、研究者等)は、10万人程度いたとされた。
今回、一般的な避難民(難民ではない)と違い、頭脳人材は、他国でも稼ぐことができる人、地縁があるような人から流出していくだろう。
ただ、今回の流出者は、戻ることを考えていないだろう。彼らが家族離れ離れというのもつらい事実である。
なお、
事が起きてから、20日以上経過し、一刻も早い終息を願う。
北野武だったと思うが、戦争で一番怖いことは、「死者や負傷者が、数で語られ始めること」と言っていた。
数千人、1万以上の死者が出ているとされる中で、其其に家族がいる。日本のメディアは、その後のニュースでしれっと、火事で人が亡くなったと実名で報じる。この火事のニュースと同様に、数だけでとらえるのではなく、その数と同数の悲しみがある想像力を忘れないようにしたいと思う。
注目のコメント
ロシアは教育水準の高い国です。特に自然科学や工学に力を入れてきたし、音楽や芸術、スポーツの水準も非常に高い国です。
不幸にして、教育水準の成果を経済の成長や国民の生活向上に生かすことのできなかった国が、ソ連であり、ロシアです。
ソ連は、科学者たちを収容して核兵器やミサイル、盗聴器や戦闘機などばかりつくらせていました。
1990年代、ソ連が崩壊してから、最高水準の教育を受けていた人々がしたのは、欧米に移住して活躍の場を求めることでした。頭脳流出です。
21世紀になり、ロシア経済もある程度安定し、投資の余地が出てきたので、これならロシアからも技術を生かしてテック企業が出てきて、GAFAのようなグローバル企業も夢ではないのではないか、という希望が若い世代に持たれるようになりました。
しかし、GDPの過半を押さえていたのはプーチン体制内のマフィアのような政商たちで、資産をキプロスやUAEに移したり、巨大なヨットを購入するばかりで、新興の産業を歓迎しませんでした。
プーチン体制は軍事費を増大させ、新型ミサイルや太平洋を縦断して米国西海岸を直撃できる核魚雷、などといった兵器の開発にばかり研究者たちを動員しました。
そして、ウクライナ侵攻でロシア経済は破綻します。ソ連の二の舞です。ロシアに希望が無くなったので、最優秀の若いロシア人は、国外に活躍の場を求めるしかないでしょう。学会で出会った、とある勇気あるロシア人の友人が、僕が英語で書いた反戦ブログをロシア語に翻訳してくれました。
https://hiroono.com/en/2022/03/06/i-am-a-mars-rock/
(日本語→ https://hiroono.com/ja/2022/03/08/i-am-a-mars-rock-ja/ )
MITでの昔のルームメートは、キエフ(キーフ)出身のロシア語話者でした。彼は今、どうしているのだろう。しばらく連絡を取っていないし、Facebookも久しく更新されていませんでした。