2022/3/13

【解説】ツイッターが目指す「分散型SNS」とは何か

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INDEX
  • 新CEOの元で「原点回帰」
  • かつての理想を新たなビジネスに
  • カギを握る「ブルースカイ」計画
  • SNS同士の連携を目指す
  • 暗号通貨関連の機能を次々に追加
  • データへの無料アクセスを拡大
  • 開発者により大きな権限を

新CEOの元で「原点回帰」

2008年、ツイッター社の一部の社員は壁に突き当たっていた。
新規ユーザーの急増に備えて策を練ろうとする中で、ある開発者が別のアプローチを主張したのだ。彼はこう言った──「ツイッターは“プラットフォーム”であってはならない」。
ブレイン・クックという名のその開発者は、ツイッターをオンラインコミュニケーションのバックボーンにしたいと考えていた。
つまり、ユーザーの会話をツイッターの中に閉じ込めるのではなく、他のSNSのユーザーとも自由にメッセージを交換できるようにしようというわけだ。彼はそのアイデアを実現するためのプロトタイプも作っていた。
しかし、他のメンバーからアイデアを否定され、クックは最終的にツイッターを追われた。以来、ツイッターは厳重に管理されたインターネット上の孤島であり続け、やがて数億人のユーザーを集めるようになった。
それから10年以上が経ったいま、ツイッターは方針を逆転させようとしている。かつてクックが唱えた「分散化」を追求しているのだ。
かつてツイッターで「分散型SNS」の構想を唱えたブレイン・クック(Amanda Mary/The New York Times)