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【超訳】プーチンが目指す、「完全なるロシア」とは

NewsPicks編集部
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  • 弁護士

    ロシアのウクライナや世界秩序に対する歴史や考え方がわかる素晴らしい記事。


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    静岡県立大学国際関係学部 准教授

    ウクライナの西部にチェルニウツィーという州があります。ここは、20世紀の初めはオーストリア=ハンガリー帝国の一部で、最も多い住民はユダヤ人、次いでルーマニア人、そしてドイツ人でした。
     チェルニウツィーは、第1次世界大戦後はルーマニアの領土になり、第2次世界大戦でソ連に占領されました。1991年にウクライナが独立すると、ウクライナ領になりました。
     チェルニウツィーの人々は「ウクライナは歴史的にロシアの一部」といわれても、全くそうは思えないでしょう。ハプスブルク家に治められていた時代の方がずっと長かったのですから。
     ロシアの領土には、他国の領土だった地域がたくさんあります。清朝やモンゴル人の王朝が治めていた地域もあるし、樺太などは日本領でした。
     ただ、プーチン大統領や彼を取り巻く「歴史家」たちの議論では、過去にどこの国の領土だったか、は、問題になりません。ロシア人という民族であるかも問題になりません。彼らにいわせると、全てを包摂するのがロシアだからです。
     プーチン大統領が復活させたいのは、ソ連ではなく、ソ連の前のロシア帝国でしょう。多民族多宗教を包摂する(という建前の)ロシア帝国が20世紀初めまで存在しました。
     多民族多宗教の帝国、というのは、ヨーロッパの場合、起源はローマ帝国にあります。ハプスブルク家の帝国もオスマン帝国も、ローマ帝国の継承者を名乗っています。ロシアは、ローマ帝国と東ローマ帝国に次ぐ、「第3のローマ」として15世紀に君主がツァーリ(カエサル)を名乗るようになりました。
     「全てを包摂する寛容な多民族多宗教の帝国」というのは、しかし、侵略者の建前の顔に過ぎない、という場合が、あまりにも多いです。
     ロシア帝国が多民族多宗教を取り入れようとしたのも事実です。日露戦争や第1次世界大戦では、ムスリムを含むロシア人以外の兵士も戦いました。しかし、帝国が弱体化すると、各地で独立を求めて反乱を起こしたのも事実です。
     現在のロシア連邦も多民族多宗教の国です。ロシア人は8割で、多民族多宗教を統合していく仕組みは必要です。しかし、それは全てを包摂する帝国の復活ではないでしょう。
     米国なりフランスなりのように、国境の範囲内で国民を統合する方が、まだ可能でしょう。ヨーロッパの統合に参画する、という選択肢もあったのかもしれませんが、それは選ばれませんでした。


  • 暦オタ・ガジェオタ・ミリオタ・時々謎のPro Picer

    プーチン大統領は開戦に当たっての演説で、半分近い時間を自身の歴史観にあて、ウクライナはレーニンによって作られた人造国家であり、ロシアとウクライナは一つの大ロシアというあるべき姿に戻るべきだと述べています。

    さて今回の記事は、そのプーチン大統領の歴史観の裏付けを解説したものなので、それ自体は間違いではないのですが、これだけだとじゃあプーチンの言っていることにも一理あると思われる方もいるかもしれません。

    では一体どこで、ロシアとウクライナは国として分岐したのか?
    それはこの記事では触れられていない、モンゴル侵攻前のルーシ(キエフ大公国)末期に始まるとされています。

    12世紀初めルーシはいくつかの勢力に分裂します。
    その中で有力だったのは、北東のウラジミール・スーズダリ大公国と西南のハールィチ・ヴォルィーニ大公国です。

    ウラジミール・スーズダリ大公国はタタールのくびきの後モスクワ大公国と名を変え、現在のロシアとなります。
    一方ハールィチ・ヴォルィーニ大公国は一時ルーシの盟主となるも、最終的にリトアニアとポーランドに分割され、様々な国の支配を受けながら現在のウクライナに繋がっていくのです。

    ロシア人とウクライナ人は同じ東スラブ人であり、一つの国家だった時代も少なくはないのですが、一方で両国の歴史は900年も前に分岐していることも忘れてはならないということなのです。

    世界には俗に大○○主義のように、かつての支配領域や同じ民族が住む領域を全て自分たちのものだと考える歴史観・世界観はいくらでもあります。
    しかしそれらは、かつての帝国型国家の思想であり、現代の近代国民国家とは全くあい入れないものなのです。

    その意味で今回のロシアの侵略は、現代の国家のあり方を無視した、かつての帝国を模した異形の戦争と言えるかもしれません。


  • NewsPicks CXO

    ロシア人とは、一体何なのか。ウクライナへの軍事侵攻が始まった直後、改めてそんな疑問に直面し、必死に数多くの文献に当たり始めました。

    さらに侵攻の2日後には、戦勝を伝える大本営発表記事が、ロシア国営通信から「誤配信」される事故が発生しました。プーチンの世界観を知る上で極めて興味深い内容ですが、正しく翻訳されていない。そこでロシア史の専門家・池田嘉郎氏に今回、正確な翻訳を快諾していただきました。

    さらに小泉悠先生にも丁寧な解説をいただきながら、本稿は完成させることができました。ロシアの歴史、世界観、そして最新の未邦訳文書の良質な翻訳が、同時にやさしく読める、貴重な内容になっているはずです。


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