情報が少ないので何とも言い難いのですが、通常は原発を攻撃するというのは相手のエネルギー供給の首根っこを押さえるというのが目的であり、原発自体を破壊しようというものではないはず。それでなければ、これから自分の支配下に置こうとしている国を汚染する、しかも風向きによっては自国にも被害が及びかねない訳で、合理的に考えればありえないのですが・・・この侵略自体が非合理であり狂気なのでその点は何とも。 エネルギー供給の首根っこを押さえたい、というのは、日経の方にコメントしたのですが、ウクライナが思ったよりもプーチン大統領の想定以上に抵抗を維持していることの背景には、電力についてはロシアに多くを依存していなかった&直前で既に系統から離脱したことも作用していたのではないかと考えています。 Wall Street Journalが2月28日に報じたところによれば、ウクライナの国営送電網運営会社は2017年から系統の接続先をロシアからEUに徐々に切り替えており、偶然にも、ロシアが攻撃を開始した先月24日に切断テストを実施、そのままロシアとはもう遮断したとのこと。現状は外部送電網に接続されていない「アイランドモード」で脆弱になっているそうですが、緊急で欧州系統との同期を進めるとされているそうです。
エネルギー供給の首根っこを押さえたい、というのは、日経の方にコメントしたのですが、ウクライナが思ったよりもプーチン大統領の想定以上に抵抗を維持していることの背景には、電力についてはロシアに多くを依存していなかった&直前で既に系統から離脱したことも作用していたのではないかと考えています。
Wall Street Journalが2月28日に報じたところによれば、ウクライナの国営送電網運営会社は2017年から系統の接続先をロシアからEUに徐々に切り替えており、偶然にも、ロシアが攻撃を開始した先月24日に切断テストを実施、そのままロシアとはもう遮断したとのこと。現状は外部送電網に接続されていない「アイランドモード」で脆弱になっているそうですが、緊急で欧州系統との同期を進めるとされているそうです。
https://www.wsj.com/livecoverage/russia-ukraine-latest-news-2022-02-28/card/ukraine-cuts-links-to-russian-electric-grid-will-plug-into-european-network-UIDVYj8nO9HZ1mC1I6DO?fbclid=IwAR1WeI13jv3Ri32_l2xKILXTNeDIFSHQcUIm8hQvK2_Qgr41Lkgo8f0SiJk
今のところ田井さんがシェアしてくださった周辺の線量データでは大きな変化は見られないですね。
ザポリージャ原発のサイトの空間線量
https://www.npp.zp.ua/index.php/en/safety/arms
ロシア軍もこれをやったら何が起こるかチェルノブイリ原発事故で知っていますし、自分たちが真っ先に死にます。原発破壊命令が出たら、軍の離反を招く可能性も。ただ、侵略自体が狂気なので何とも。。
https://youtu.be/OuivI0Ow3ks
原発の制圧は戦略上重要だと思いますが、最前線のロシア軍部隊の指揮者や兵士が、どれだけ【核管理】や【核防護】の知識を持っているのか、心配です。原発周辺の放射線計測データが、一時外部に送信されない状況が続いたとの情報があります。ウクライナの電力は半分が原発から供給されているようで、資源を抑える意味と、ここに軍の拠点を置くことで反撃を避けるという戦略的な考え方もあるでしょう。
(追記)IAEAは、ウクライナの原子力規制当局から、当該原発周辺の放射線レベルに変化はないとの報告を受けていると、日本時間午前10時48分にツイートで明らかにしています。
10年前に、日本とウクライナは原発事故に関する政府間協定を結んでいますね。この中にリスク・マネジメントも入っています。経済産業省などが事態を注視しています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/erp/c_see/ua/page22_002388.html
警戒すべきは、原子炉だけではありません。キエフやハリコフには、放射性廃棄物の処理施設があり、ロシアのミサイルによる被害が出ているようです。IAEA事務局長がステートメントで明らかにしています。
https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-3-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine
フランス、スロバキアについで原発依存度が高い国ですが、ロシア経済専門家である服部倫卓さんの以下記事によると、「原発はロシア依存を脱してエネルギー安全保障を確保する手段」と位置づけられていることが背景にあるようで、燃料棒の供給元もロシアから順次、スウェーデンに切り替えが進んでいた由。仮にウクライナの自前のエネルギー供給源を断つという狙いがあったにせよ、ゼレンスキー政権を降伏させる目的達成の手段としてはあまりにマイナスの影響が大きすぎます。
チェルノブイリ原発事故から35年 ウクライナ、今も依存度が世界3位の理由
https://globe.asahi.com/article/14333242
先ほど、詳細があきらかになりました。火災が起きたのは敷地外とのことで安心...いやしかし原発施設攻撃しないで...
「ザポロジエ原発火災、敷地外の訓練用建物で発生=ウクライナ当局」(ロイター通信)
https://jp.reuters.com/article/idJPL3N2V70LN?il=0
追記)
確かに、お気持ち(0.01μSv/hの世界ですが)、ちょこっとあがったきもするけど、問題になるレベルではないと思われます
原文)
この件に絡み、ウクライナのクレバ外相はヨーロッパ最大級の原発(6基、総出力600万kw)ザポロジエ原発で攻撃が起きているとツイート「爆発が起きれば、チェルノブイリ原発の10倍の被害になる」と警告しています。すごく気になりますが原発のサイトの空間線量がすごく高いという感じはしない(9時現在で高くても0.1μSv/h...富士山山頂くらい?)ですが...
外相のツイートは下記
https://twitter.com/DmytroKuleba/status/1499543775240196099
ザポリージャ原発のサイトの空間線量
https://www.npp.zp.ua/index.php/en/safety/arms
参考:原子力情報資料室
https://cnic.jp/41467
放射線量についてはこちらの資料が参考になります
https://www.env.go.jp/chemi/rhm/kisoshiryo/attach/201510mat1s-01-6.pdf
原子炉が破壊された、とかではなさそうです。
しかし、そもそも、原発を奪い合う戦いになって、敷地内でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を繰り広げているわけで、そういう戦闘が起きないようにすることが必要です。
戦争中の交渉では、交戦にあたってのルールを決めるのも重要な案件です。捕虜の交換とか、住民の避難とか、攻撃対象としない施設を設定するとか、です。
すぐに停戦とはいかない場合でも、交渉を続けるのには、そういう意味もあります。
攻撃により複数の建物から出火しましたが、訓練用の施設など原子炉本体とは関係がなく、炉心は安全に停止されたとのことです。
ひとまず原子力事故は回避された形ですが、現在電力網に接続されている原子炉は1基だけになっているそうで、原子炉が破壊されなくても電力インフラのシャットダウンによる市民生活への影響は相当大きいと思われます。
現場の混乱から有り得ない
事故が起こるのが戦争の歴史
でもあります。
最悪の事態が起こらないことを
祈るばかりです。
関連(不鮮明ですが現場の写真があります)
ロシア軍がウクライナの原発を砲撃、火災 欧州最大級:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB041E20U2A300C2000000/
https://nordot.app/872288165551521792
AP通信の記事はこちらです。
https://apnews.com/article/russia-ukraine-war-a3092d8e476949ed7c55607a645a9154
また消化活動は難航しているようです。
https://nordot.app/872286981178785792
(オリジナル)「砲撃を受けているザポロジエ原発で爆発が起きれば、チェルノブイリ原発の10倍の被害になる」とのウクライナのクレバ外相のツイートも。
https://nordot.app/872282332226961408
ツイートはこちらです。
https://twitter.com/DmytroKuleba/status/1499543775240196099