[東京 29日 ロイター] - 楽天<4755.T>は29日、格安スマートフォン(スマホ)市場に参入すると発表した。通信料を大手携帯電話会社の3分の1程度に抑えることで、通信料の高さに不満を持つスマホユーザーや、スマホへの移行を躊躇(ちゅうちょ)している従来型携帯電話(フィーチャーフォン)ユーザーを取り込みたい考えだ。

3─4年後に1000万台の販売を目指す。

始めるのは「楽天モバイル」。子会社のフュージョン・コミュニケーションズが、NTTドコモ<9437.T>の回線を借りて仮想移動体通信事業者(MVNO)として提供する。

データ量2.1ギガバイトプランの場合、月額料金は1600円となり、これに音声通話料がかかる。平均的な利用者は通話料込みで2200円程度になるとみており、ドコモ、KDDI(au)<9433.T>、ソフトバンク<9984.T>のデータ量2ギガバイトプラン(通話定額込み)の6500円の3分の1程度となる。

第1弾端末として台湾のASUS<2357.TW>製スマホ「ZenFone5」を採用した。

三木谷浩史社長は会見で「携帯電話料金は家計の負担になっており、国際的にみても高い」と指摘。その上で「これからはネットワークを持った携帯電話会社だけでなく、そのプラットフォームをうまく利用した、より効率的なMVNOという業態が非常に大きくなっていくのではないか」と述べ、事業の拡大に意欲を示した。

国内携帯電話市場をめぐっては、3グループによる寡占化で料金プランが横並びとなっており、競争促進の観点からMVNOに対する期待が高まっている。

(志田義寧)