【解説】なぜこんなにつらい?「コロナ後遺症」のメカニズム
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ロンドンに住んでいる知り合いはまさにこれです。当初の感染はひどくなく、入院の必要もなかったのですが、1年近く経ってもまだ体調が戻らず、フルタイムの仕事はできません(もともとはMITのMBAを持ったワーカホリックのベンチャーキャピタリストで、特に基礎疾患はありませんでした)。現地の医師にも慢性疲労症候群とだけ診断され、解決法がまだ見つかっていません。
私はずっと前に慢性疲労症候群(CFS)と診断された/EBウイルスが再活性化していた経験があったので(※CFSの場合は他のウイルスとの関連もあり)、EBウイルスの再活性化と関係があるのではないかと彼女に去年言っていたのですが、新型コロナの場合は他にも様々な可能性が見つかっており、研究が進むことを祈るのみです。
日本でもアメリカでもよく「風邪やインフルエンザと似たようなものなのに気にしすぎだ」という意見を目にしますが、風邪やインフルエンザで、1年後に働けない人を見たことがあるでしょうか。知人が一番怖がっているのは、ブレイン・フォグで脳がうまく働かない、会話がスムーズにできないことです。(コロナで、脳灰白質が減少することも認められています。)
米国ではLong Covidと呼ばれますが、該当する人が国内に推定2000万人いるとされます。総人口3.3億人とすると、16.5人に1人が、長期にわたり後遺症を抱える可能性があるということです。それを受けて近所のワシントン大学でも去年3月、コロナ後遺症リハビリ専門のクリニックが設立されました。全米では現在、66の医療機関でコロナ後遺症クリニックが設けられています。
「風邪みたいなもの」とは思えません。コロナ後遺症では、記事にあるように多種多様な症状がみられます。コロナ後遺症外来を行っている岡山大学病院からの報告では、後遺症外来を受診した主訴は、
全身倦怠感 (50%)
嗅覚障害 (28%)
味覚障害 (26%)
脱毛 (18%)
頭痛 (17%)
呼吸困難 (16%)
不眠 (13%)
などでした。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8571943/
いずれの症状も患者さん本人にとっては深刻ですが、特に若い女性の方で味覚障害・嗅覚障害が多くみられるのが印象的です。急性期(発症から数日~1週間)で味覚・嗅覚障害が改善する場合がほとんどですが、中には数ヶ月~年単位で続く方もいて、食事を楽しめなくなったという方もいらっしゃいます。後遺症に関する信頼できる情報が少ないのでNewsPicksによる解説はありがたいです。私も人から聞き及んだ話ですが、知人の複数名が1年以上職場復帰できていないとのこと。行政による後遺症への対策が不足しているように思えます。