日本人技術者の給料がアメリカにボロ負けする訳
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注目のコメント
私は「安いのは良いこと」「あの人だけ得するのはずるい」の意識を変えていく必要があると思っています。
◆「安いのは良いこと」について。
ワンコインランチなど、それを実現する企業努力には頭が下がります。一方で、それはその企業の利益率や利益そのものを圧迫して、巡り巡って日本経済全体の元気をなくしていくことに繋がります。例えば他社よりも安い商品を提供する企業がマスコミなどで取り上げられますが、そうではなく高付加価値をつけて高くても売り上げている企業ももっと取り上げるべきだと思います。
あと、ものすごくよく聞くのが「我々も予算がないんです。なのでおたくも(不当に)安くしてください」という論理。これに苦しめられている話は本当によく耳にします。「正当な対価」は請求するのも支払うのも当たり前という意識は持てるようになりたいと思っています。
◆「あの人だけ得するのはずるい」について
指摘されがちな「横並び」の精神が公平・公正のためであるならば、まだ理解いたします。しかし、「他の人はなにか得をしている、自分はその恩恵に預かれない。あの人だけずるい。ならば、あの人の足を引っ張ってやろう。」という事例を多く見聞きしたことがあります。
あと、似たような論理で、資格・学位の取得やその他競合との比較で「あっちは大したことない」とか「あっちよりいい」という議論が多いのも気になります。自分が持っていない他組織・他者の価値をなぜ当然の様に否定するのでしょうか。「あっちは大したことない」ではなく「あっちもいいね。でもこっちもいいよ。」という多様性を認め合うことが大事だと思っています。「グーグルのソフトウェア・エンジニアでトップクラスのプリンシパル・エンジニアを見ると102万ドルで、1億1628万円になる。」
これは正確には誤り。筆者が参照しているサイトに書いてあるが、うちざっくり2/3ほどを株式ボーナスが占めるが、それは入社時のボーナスを4で割った数字。平均4年くらいでまた転職するから、という計算方式なのだろう。つまり3億円ほどの移籍ボーナスを貰ってるという事。その他の現金による年収は4千万円ほど。無論それでも高いが。
つまりメガスタートアップでありビッグテックは自社の株式をレバレッジして世界一級の人材を雇うだけの時価総額を有する。3億円の自社株を仮に一千人に配っても自社株全体の価値のゼロコンマ数%だからだ。
それ以外のレガシーな会社ではアメリカとてCクラスでもないのに億単位の年収をもらう人はごく例外である。
このようにビッグテックと比べて日本人の給料が低い、というのは議論として筋が悪い。間違っているとまでは思わないがビッグテックに比べたら日本に限らずどの国も同じはずである。
日本人の賃金が30年上がらない理由は皆さん既にご存知の通りマクロ経済政策やらグローバル化の失敗やら筆頭に理由は明確であって、それに比べたらここに論じる「専門家や研究者に適切な対価を払わないから」とはごく些末な理由であると私は思う。所得がなくても心が豊かである人は大勢いる。
しかし、だからといって、社会全体として所得が重要であることを否定するわけにはいかない。
一定の所得は、社会全体が幸せになるための十分条件ではないが、間違いなく必要条件だ。
————-本文より抜粋。
世界との所得格差は平均以上に高度人材で開いている。
日本はもう詰んでいる可能性すら感じる。
今必要なのは、民主的なプロセス自体に重きを置くことで陥る衆愚政治ではなく、やるべき当たり前のことを当たり前に執行できる声の大きいリーダーだと私は思います。