2022/2/20

ニセモノが氾濫。オーガニックコットンの「不都合な真実」

INDEX
  • 消費者受けする「やさしい」素材
  • 公的認証の信頼性に疑問符
  • 10年間見過ごされてきた警鐘
  • 実際の栽培量を超える販売量
  • 「認定書」の偽装が横行
  • 問題は「インド産」だけではない

消費者受けする「やさしい」素材

オーガニックコットンとリサイクルポリエステルを使ったマイケル・コースのジップアップパーカー(レディース)は、従来のコットンのパーカーより25ドル高い。
アーバン・アウトフィッターズのオーガニック素材のスウェットパンツは、同じようなデザインの従来品(コットン素材)より46ドル高い。
トミーヒルフィガーのオーガニックコットンのスリムフィットTシャツ(メンズ)は、従来のTシャツより3ドル高い。
ラベルにはこんなふうに書かれている。「この製品には、化学農薬、化学肥料、遺伝子組み換え種子を使わずに栽培され、独立機関によって認証されたオーガニックコットンが使われています」
(Björn Forenius/iStock/Getty Images)
ファッション業界がサステナビリティへの取り組みを喧伝するなか、こうしたラベルは製品の価値をアピールする手段であると同時に、より良い行動のためなら多額の代金を喜んで払う消費者を引きつける。
だが、問題がひとつある。店に並ぶ「オーガニックコットン」の多くが、実はまるでオーガニックではないかもしれないのだ。