2022/2/16

【独占翻訳】メタバースを生んだSF作家が見通す「4つの未来像」

NewsPicks 副編集長
この冬、いまから30年前に刊行されたSF小説がにわかに注目を浴びている。ニール・スティーヴンスン作『スノウ・クラッシュ』(1992)だ。
昨年10月、フェイスブックが社名を「メタ(Meta)」に変更したことは記憶に新しい。この発表は、同社が本格的に「メタバース」事業へかじを切るという宣言だった。
メタバースとは、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の端末を使って人々とつながれるデジタル空間のこと。この概念を初めて用いたのが、ほかならぬ『スノウ・クラッシュ』である。
日本では長らく入手困難で、「知る人ぞ知る」存在だった本作だが、1月下旬に晴れて早川書房から復刊された。「丸の内や渋谷など、ビジネス街やIT系の会社が多いエリアでよく売れている」(担当編集の一ノ瀬翔太氏)とのことで、直後に重版が決定。反響の大きさをうかがわせる。
来るメタバース社会を予言していた、と語られることの多い『スノウ・クラッシュ』だが、むしろ、本作のビジョンこそがメタバースを現実化させたと理解すべきだろう。