パーパスと利益は両立する。もっとビジネスに人文知を
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長年パーパスが根付いている会社での経験から言えるのは、パーパスと利益は、両立できます。ただし、両方実現するためには、労力はかかります。プラスの労力がかかっても、パーパスドリブンな会社で働くことが、誇りでありやりがいに繋がるのは、確かです。
実は、ザボディショップ では、創業の45年も前から、パーパスがあり、「企業は社会を良くする力がある」と言い続けてきました。創業者のアニータ・ロディックは、まるで今の流れに先見の明があったかのように。
貧困な国に寄付ではなく経済をもたらすコミュニティフェアトレード、動物実験反対の大々的な署名活動、地球温暖化に対する2030年ネットゼロ宣言や、SDGs17項目全ての目標設定など、「より公正で美しい社会のために立ち向かう」というパーパスのもと、様々な取り組みをしています。
例えば、ネットゼロ宣言のため年間の航空便使用量が決まっているため、商品遅延があっても簡単にエアー便で対応することはできない。かと言って、商品遅延があっても、予算達成は求められる。これまで以上に、よりクリエイティブな対応策と柔軟性を求められますが、チャレンジをチャンスと捉え、新たなスキルを学べるとポジティブに捉えることが重要。自分たちの行動が、単に会社の業績達成を超えて、明るい未来に繋がることは、豊かな心と幸せにつながります。『パーパス 「意義化」する経済とその先』の出版の前後で日本国内でもパーパスに関する議論が増えてきていることを嬉しく思っています。一方で、パーパスがバズワードとして消費されてしまう懸念も感じています。佐々木さんとの共通の問題意識は未来のビジネスはどんな形なのだろう?ということでした。パーパスはその道筋を照らす松明のような概念だと考えています。パーパスと利益の両立は簡単なものではありませんが、未来のビジネスのあり方を考える上で欠かすことができない視座です。この視座を大切にしながら2020年代のビジネスのあり方、そしてその先にある人間のあり方について考えていければと思います。
『パーパス』共著者の岩嵜さん、佐々木さんにお話をうかがいました。
自己や組織の真ん中に目指すべき方向性を定め、長期的な視座を持ってそこにコミットしていく。そのためにも自組織と社会を深いところまで探索する。そこでは、長い歴史の中で蓄積されてきた人文知が役に立つ。
めまぐるしく変化している世の中でも気長に着々と影響力の和を広げていく取り組みが、結果的に残っていくのではないでしょうか。