明治神宮外苑 再開発で樹木約900本伐採の計画 有識者が懸念
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東京都の計画では緑地面積は現在の25%から30%に増やし
より生態系に配慮した植樹を検討していくとなっています。
概要はこちら→
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bosai/toshi_saisei/data/kouen_teian_gaiyo_02.pdf
ニュースや新聞でタイトルだけ見て、現場で積み上げてきた様々な調整を
まるで「金の亡者」のように言ってしまうのは、まさにキャンセルカルチャーとおなじ流れを感じます。
長年かけた調整が印象に動員された大衆ととそれを盾にした政治家の動きでご破算になりかねないのは豊洲市場の時もいっしょだったように思います。樹木が育ってきた長い時間って、同じ数植え替えれば済む話じゃないと思うんです。
確かに元々は人工林として人間の手によって植えられたものではありますが、時間と共に価値が高まるものってあるはずで、樹木もその一つ。建物を建て替える為に切り倒すくらいなら、建物をそこにある生き物の形に合わせに行くくらいの気概を見せて欲しいです。
その方が緑化政策として適切だと思います。かつて国立競技場のデザインについてザハ氏の案が却下されましたが、その際の森喜朗氏の感想が「合わないデザイン」だったと記憶しています。
この森喜朗氏の感性について、私も非常に共感できる部分が多いです。
これは恐らく明治神宮外苑を歩いてみなければ、まず判らないと思います。明らかにあの空間は「都会における自然との調和」になっています。かつて日本人が「自然の中に神が宿る」と考えたであろう神々しさの一面を、私はあの空間に感じ取れるように思います。
もちろん、価値基準は人それぞれだと思います。
しかしながら、神宮外苑を歩いた事もない人物が、周辺がどんな場所なのかを評価する事なくザハ氏のデザインを評価したり、森喜朗氏の「合わない」と言う感性を全否定するのは異なると思います。
本件も、歩いた事もない人物が「とにかく商用施設を重視して、カネ儲けするのが良いことなのだ!どうせ自然があるとか、大したものじゃないだろう」と言う価値基準で判断するのは、さすがにちょっと待って欲しいと感じます。
【追記】
例えば、以前に神宮アイススケート場の一部がホテルになり、その隣のちゃんぽん屋と駐車場の跡地が遊歩道に変わりました。
私の師匠筋の方が設計されたと伺いましたが、個人的にあの遊歩道は好きになれません。
自然と調和しているのではなく、遊歩道に樹木がありそれを眺めると言う構造になっていて、自然と調和していると感じない為です。