2022/2/9

【森永邦彦】ファッション・ビジネスの「根本」が変わる

NewsPicks編集部
ファッション業界は、コロナで、根本的な変革が迫られた業界の一つだ。
トレンドを決めるコレクションはオンライン開催を余儀なくされ、ECやライブコマースはオプションではなく必須となった。消費者の需要は着飾る服からより生活しやすい服へと変わり、サステナブルでないものは、選ばれなくなってしまった。
さらには、メタバースやWeb3などのブームがファッション業界にも押し寄せ、新たなビジネスの転換を迫り始めている。
そんな中、昨年パリコレクションで話題をさらった日本発のブランドがある。
デザイナー森永邦彦氏が手掛ける「ANREALAGE(アンリアレイジ)」は、映画「龍とそばかすの姫」(細田守監督)を題材に仮想空間とリアルを融合させた先進的なショーを展開し、さらにNFT化して5000万円で落札されるなど、世界に大きなインパクトを与えた。
「ここにはファッション・ビジネスのシステムを大きく変えられる可能性がある」
NewsPicksはそう話すデザイナー森永邦彦氏に直撃し、彼が見据えるファッション業界の革新と、コロナ後の未来戦略について聞いた。
INDEX
  • ①仮想とリアルが交錯するショー
  • ②「はざまの世代」のチャンス
  • ③ファッションは「日常」を変える
  • ④「異端」を生み出す教育を

①仮想とリアルが交錯するショー

──昨年9月のパリコレクションでは、「竜とそばかすの姫」の中で主人公が着用する衣装をメインに据え、二次元と三次元を意味する「DIMENSION(ディメンション)」をテーマとしたショーを展開されました。あえて黎明期のテクノロジーに果敢に挑戦された理由を教えてください。
森永 このショーについては、先に「竜とそばかすの姫」の中で主人公ベルが着用する衣装の話がありました。
細田監督は映画のテーマである、「現実と仮想が交錯している世界」に合う衣装表現ができる人を探していました。