TDK、CATLとの合弁事業で先週末までに各国で独禁法の承認獲得
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様々な歴史が連なる案件。
CATLは、元々TDKが買収したATLから、2011年に中国政府の規制によって独立した会社。ここらへんの経緯は2018年のNP編集部の記事に詳しい(①、②)。元々15%保有していたと思うが、2015年にはなくなりTDKは受益できない状態となった。なお、TDKがATLを買収した経緯は③でのKenjiさんのコメントに詳しい。
2021年4月に、TDK(ATL)はCATLとの提携を発表(④)。なお、2021年12月のTDK石黒社長へのBloombergのインタビューでは、TDKとしては規模競争となっている四輪ではなく、家庭用蓄電やスマホ基地局、電動二輪車などを対象とした中型電池を強化する意向を述べている(⑤)。
①https://newspicks.com/news/2810319
②https://newspicks.com/news/3055847
③https://newspicks.com/news/1336818
④https://newspicks.com/news/5808034
⑤https://newspicks.com/news/6542616昨年4月に発表していたCATLとATLによる合弁会社(2社)の設立の続報。
中型電池のセル製造会社がCATL:ATL=7:3、パック製造会社がCATL:ATL=3:7の出資比率という点で、CATL製セルを使ってATL(TDK)が中型電池事業に進出する構図ですが、クロスライセンスしている点が注目されます。
TDKも酸化物系固体電解質の特許を持ってますので、そこまで含めた合弁なのだろうというのと、あくまで車載はCATL単独で行くということが伺えます。
現在のATLが有るのも、ATL買収後にTDKが当時としては積極的な投資を続けたからですが、今となってはセル製造は投資競争以外の何物でも無い状況となってしまいましたので、CATLのセルを使って民生用でも車載用でも無い中型用途へTDKが進出しようとするのは全うな判断でしょう。