2022/2/4

【進撃】ダイキン流「大ぼら」から始まる、海外制覇への道

NewsPicks ジャーナリスト
ルール作りが苦手とされる日本企業にあって、独り気を吐く企業がある。世界トップの空調メーカーのダイキン工業だ。
2021年度の売上高は約3兆円に迫る。過去5年で割合にして50%、金額にして1兆円も増やした。
成熟化し切った日本において、大手メーカーがここまでの急成長を遂げているケースを、ほかに聞いたことがあるだろうか。
その原動力は売上高全体の80%を占める海外市場だ。
そして、海外で立ちはだかる難敵、韓国メーカーを撃破してきたのも、ダイキンに有利な市場ルールへと塗り替えてきたからだ。
そこで、ダイキンの海外市場進撃の立役者である峯野義博副社長を直撃。
2年前のインタビューで、「このままでは日本は三等国になる。だが、日本人だってやればできる」と喝破した峯野氏。
「『ホラ吹き』と呼ばれるほど壮大な目標を掲げないと、海外では相手にされない」が持論の本人に直撃インタビューした。
INDEX
  • 半歩先の「ノン・マーケティング」
  • ルールづくりは、仲間づくりから
  • ゾンビエアコンを駆除せよ
  • 「大ぼら」こそビジョン
  • なぜコロナ禍で爆成長なのか
  • 挑戦しないと死ぬぞ

半歩先の「ノン・マーケティング」

──外気温によらず快適に過ごすための空調は、世界的に成長産業と期待されています。新型コロナウイルスの広がりによって空調市場に変化はありましたか。
今こそ、ダイキンにとってチャンスです。
元々、2050年までに空調市場は新興国を中心に3倍に拡大すると予測されています。それだけでも大きな市場成長なのですが、実は先進国でも市場は伸びています。