2022/1/29

完全栄養食で世界制覇?ベースフードの「無理しない経営術」

英日翻訳者・Webライター
NewsPicks編集部による番組『デューデリだん!』は、NewsPicksの記者たちが、注目の成長企業を取材し、経営トップにインタビューする過程を可視化する企画です。

今夜10時から取り上げる企業は「ベースフード」です。完全栄養食「BASE FOOD」を展開するD2Cブランドで、最近は首都圏のコンビニでも見かけるようになりました。創業6年、売上も順調に伸びているようで、そろそろ上場も視野に入っている頃かもしれません。今回は「ベースフード」の伸びしろを検証します。
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INDEX
  • 去年ブレイクした「完全栄養食」
  • ベースフードの先行者優位性
  • 成長の転機になったコンビニ販売
  • そろそろ上場も視野?
  • 強大なライバル、日清食品
  • 市場をリードする起業家が見据える未来

去年ブレイクした「完全栄養食」

コロナ禍によってライフスタイル・ワークスタイルが大きく変化したことで、日本人の健康志向も近年、急激に高まっています。
完全栄養食を手掛ける「ベースフード」は、この状況を追い風にして、急成長している企業の一つです。
2016年に元DeNAの橋本舜氏が創業したベースフード。
自宅キッチンで開発した完全栄養食のパスタからスタートし、パンやクッキーをラインナップに追加し、去年から首都圏のコンビニでの取り扱いも始まりました。
『日経トレンディ』による「2021年ヒット商品ベスト30」でも22位に選出されるなど、知名度も急上昇しています。
売上高も順調に伸びており、まだ未上場ながら、そろそろ上場も視野に入れている可能性もありそうです。
成長著しいベースフードの勢いは本物なのか、成長可能性を検証します。

ベースフードの先行者優位性

番組初登場でスタートアップに詳しい森敦子さん、おなじみ泉秀一デスク、そしてインターン役(本業は役者)の藤村聖子さんが、いつもの部屋に集まりました。
まず、3人は「完全栄養食品」の定義について調べます。
完全栄養食品とは、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」を元に加重平均で定めている「栄養素等表示基準値」を基準にした商品です。
ベースフードの「BASE BREAD」の場合、1食で2袋を朝昼晩の3食、つまり1日6袋食べれば、「栄養素等表示基準値」を満たすことになります。
米国のソイレント、英国のHuelなどでも完全栄養食品は展開されていますが、主食で完全栄養食品として販売しているのは現時点で、ベースフードだけです。
実際に、ベースフードが手掛ける「BASE BREAD」を試食してみると、味も悪くないようです。
完全栄養食と聞くと、どうしても栄養バランス先行で、味は二の次という印象があった藤村さんは、少し驚きます。
少なくとも現段階の国内市場において、ベースフードの先行優位性は大きそうです。

成長の転機になったコンビニ販売

ベースフードは、これまでに累計で1500万食を販売しています。
当初は、オンラインのみの販売でした。
パスタやパンなど単価は高くないため、小分けに販売すると配送費のほうが嵩むため、大きなロットでの注文しか受け付けておらず、試してみたいけど、購入に踏み切れないといったユーザーを取り込めていませんでした。
番組後半のインタビューに登場するベースフードの橋本舜(はしもと・しゅん)代表。
潮目が変わったのは、去年です。
2021年7月、首都圏のファミリーマートやナチュラルローソンの1450店舗で、ベースフードのパンやクッキーを1個単位で販売し始めてから、売上が急激に伸びました。
2021年夏の時点で1000万食だった累計販売数は、コンビニでの取り扱い開始後、わずか半年あまりで、500万食が上積みされたことになります。
こうなってくると、気になるのが業績です。
今回は、スタートアップのスペシャリスト、森敦子さんが活躍します。

そろそろ上場も視野?

2016年4月に創業したベースフードの現在の調達後評価額は32億円ほどです。
売上高は、2021年2月期で前年比3倍、営業利益はまだ赤字ですが、着実に圧縮しています。
すでに、レイトステージである「シリーズD」に位置しているとされ、森記者によると「そろそろ上場も視野に入っている段階かもしれない」と推測します。
上場も含め、今後の成長ストーリーを橋本代表がどう描いているのか、インタビューで聞きたいポイントの一つです。

強大なライバル、日清食品

ここまで順調な成長を遂げているように見えるベースフードですが、泉デスクは競合の存在に注目します。
それが、あの日清食品です。
高タンパクで低糖質な「カップヌードルPRO」だけでなく、調べてみると、完全栄養食を自社の重要プロジェクトに位置づけていることがわかりました。
巨大資本が完全栄養食マーケットに本気で参入したら、ベースフードのようなスタートアップは吹き飛んでしまうのではないか。
競合との差別化ポイントを、どう考えているのか。
さらに、今後、ヘルスケアカンパニーなどとのパートナーシップはありうるのか。
泉デスクは、橋本代表へのインタビューで、ベースフードの中長期戦略について切り込むことを決心します。

市場をリードする起業家が見据える未来

東京・中目黒、祐天寺寄りの住宅街にベースフードのオフィスはあります。
DeNAに勤務しながら、自宅のキッチンでひとり、完全栄養食のパスタを試作するところから始まった、橋本代表のストーリーはどこまで広がっていくのか。
急成長中のスタートアップを率いる若き起業家の表情は、意外なほど穏やかでした。
インタビューに移っても橋本代表は、肩の力が抜けた、柔らかな笑顔で泉デスクの質問に答えていきます。
時折、起業家としての強い意志や固い決意を覗かせる橋本代表。
国内の完全栄養食品の市場をリードする起業家の目には、どんな未来が映っているいるのでしょうか。
今夜10時からの配信をお楽しみに。
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