エネオス和歌山停止 和歌山知事、撤回求める
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発電所でもそうなのですが、とにかく撤退は難しいんです。
皆さん「知事がそんなこと言ったって、企業は経営が廃止を判断したら覆るものではない」と思われるでしょうし、普通ならその通りなのですが、例えば稼働率の低下した火力発電所を閉鎖しようとしても、同じ県内に原子力発電所があり、稼働させるには知事の同意を得なければならない(法的な同意権限というわけではないのですが、実態的には知事の同意を得ないと稼働できない)なんていう状況だと、知事が激オコするのが分かっていて廃止なんて言い出せない・・となります。
自由化した市場で稼働率低い施設は持っていられませんので、いよいよとなれば知事に平身低頭土下座三昧して廃止の許可を頂く・・というような感じです。
発電所とはちょっと異なると思いますが、先日、新日鉄住金の高炉閉鎖の報道が流れ、立地自治体の市長さんが飛び上がって閉鎖撤回を求めて霞が関や永田町を走り回られたという話も伺いました。カーボンニュートラルシティ宣言された自治体さんだったので、少なくとも2050年までに高炉はその自治体から無くなること前提だったはずですが、実際に廃止となると自治体の雇用・経済への影響が甚大なので、とにかくあらゆる手で撤退しないように運動するわけです。それも首長の立場としては重要な仕事なわけで・・・。
仁坂さんは通産省勤務のご経験もありますし、県民のために撤回を求めると仰るものの、エネオスさんの事情もある程度理解しておられると思います。これからこうした撤退戦は増えますので、どのように「次の飯のタネ」を確保するかが重要ですね。
和歌山については、ほぼ同じタイミングで、パナソニックさんがバッテリー工場を新設する検討をされているとの報道が出てました。有田市ではなく紀の川市ですが。基地を運営する上では必ず維持コストが発生するので、現状は[利益<維持コスト]、つまりやめた方が儲かるという構図が容易に想像でき、雇用面は知事の言う通りですが、一企業の判断を政治的な理由で変えることは難しいと思います。
国全体としては「需要が減るのに合わせて減産を進める」のが正解、変に残したりすれば泥沼が待っているだけです。
一方で、一地域にフォーカスすれば、「好ましくない事態」であることは明白。
こんなコンフリクトがこれから数十年、あっちこっちで起こっていくのだろうと思います。
全体として経済活動が活発化することが国全体の利益となることは明らかですので、和歌山県が「これから求められること」を提供する事業をこの場所で引き続きやっていくことは一つの考え方だろうと思います。
ただ、それもENEOSさんの理解・納得が前提となりますよね。
モデルケーススタディーとなるようなやり方がでてくるといいですよね。