2022/1/28

2021年国内スタートアップ資金調達、1兆円市場へ

ユーザベース INITIAL シニアアナリスト
2021年は、スタートアップ企業に記録的な規模で投資マネーが流入した。その額は1兆円に迫る。2020年比で5割以上の増加になる見込み。従来では見られなかった規模の大型資金調達を成功させるスタートアップが次々と登場した。
海外投資家の参入やイグジット(新規上場)環境の好転など、米国の空前の金融緩和による下支えがあったのは間違いないが、IPO時の資本政策などにおいて着実に「イノベーション」とも言える進歩があるのも確かだ。
2021年、スタートアップの資金調達に何が起こったのか。3回シリーズで振り返る。初回は1年間を独自データで概観する。スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL(イニシャル)」の『Japan Startup Finance』の2021年最新レポート公開を前に、そのエッセンスの速報となる。
『Japan Startup Finance』は日本最大級のスタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL(イニシャル)」が独自に調査をし、半年に1度公表している、国内スタートアップの資金調達動向をまとめた代表的レポートです。
INDEX
  • 調達概要編
  • セクター編
  • イグジット編
  • 投資家編
  • おわりに

調達概要編

2021年、日本国内スタートアップの資金調達額は、前年比46%増の7801億円(1月25日時点)だった。
後から判明するデータもあるため、実態としては少なくとも8500億円程度となる見込み。1兆円に迫る勢いだった。