民事裁判を全面IT化、提訴から判決までオンラインで…今国会にも法案提出へ
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日本の民事裁判は書面と対面が原則とされています。
これまでに積み上げられてきた歴史は大切なものですが、世界と比較しても、なにより国内の裁判実務の現状と照らし合わせてみても、時代錯誤の感は否めません。
民事裁判のIT化とDXについて、これまで弁護士資格を持つ政治家として、法務委員会などで改善に向けて積極的に取り組んできました。
昨今のコロナ禍の影響で、民間企業を中心にDXが一気に加速してテレワークが一般化したことに歩調を合わせるように、民事裁判のIT化も抜本的に進化させていくべきです。
1月28日には、民事裁判を提訴から判決まで全面的にIT化する内容の答申案が法制審議会から提出されました。
2025年度の実施を目指して、訴状などの資料をオンライン経由で提出できたり、口頭弁論をビデオ会議システムを活用して行うことで、一度も裁判所に行かなくても判決まで進行できる法整備を今後進めていく予定です。
これまで、どんなに遠方に暮らしていても、どんなに体調が悪くても、年齢や心身の不調を抱えていても、裁判所に出頭して審議を行うことが原則とされていました。
そもそも技術が進化していなかった時代ならいざしらず、ハードウェアもソフトウェアも、通信環境も整った現代であれば遠隔でのビデオ会議システムで代替できます。
弁護士にとっても期日に出頭せずに裁判を行えるというのは、まさに「生産性革命」と言っていいでしょう。弁護士費用の低減も期待できます。
法的トラブルに見舞われた方々の一番の心配事は「膨大な費用がかかってしまうのではないか」という点です。
民事裁判のIT化により、弁護士の生産性が向上すれば、司法の利用がより促進されるでしょう。
裁判のIT化は、二割司法と揶揄される問題の解決の起爆剤となり得るとすら思っています。
IT化を進めることで、未曾有の大災害の際でも司法の停滞を防止できるでしょう。
2011年の東日本大震災、2020年から現在も続く世界的なパンデミック。どちらのケースでも、裁判所が稼働できずに裁判が止まってしまいました。
これは、悩みを抱える依頼者にとっても大きなマイナスです。
一歩ずつ、しかし着実に、日本の法曹界も国民の皆さんのために利便性を改善しています。
より良い法曹制度の確立に向けて、今後も力を注いでいきますのでご期待ください。
注目のコメント
利便性の向上にはなりますね。
ただ、審理自体も早める必要があります。慎重・十分な審理にこだわって裁判に時間がかかりすぎればそのツケは当事者、ひいては社会の負担になります。弁護士の働き方にも関わる重要な改革。
移動時間という無駄な時間を減らせば、弁護士が同時に処理できる案件数も増え、ひいては、国民に広く弁護士サービスが行き渡る契機にもなると思います。