買うたび後悔、選択肢のワナ 豊富な品ぞろえは幸せか
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一般に人は多数の選択肢を示されると購買率が著しく低下するだけでなく、買っても買わなくても不満度が上がることが知られています、
これを「選択のパラドックス」と言います。
選択のパラドックスの解消、つまり数ある選択肢の中からどうやって選択を促し、同時にその選択に満足してもらうか、言い換えればその顧客体験をどのようにして作り上げるかということが、情報が溢れる現代では特に大きなポイントになります。
しかし逆にいえばそれは同時に最大の差別化要素とも言えるのです。
その代表的な手法がいわゆるレコメンドシステムです。
Amazonで何かを買ったら連鎖的に自分が欲しいと思われるものに誘導され、さまざまな評価やレビューをみてついいらないものも買ってしまうアレ、です。
レコメンドのように、徹底的なパーソナライズを可能にするアルゴリズムが膨大な情報と人を結びつけることを可能にし、選択のパラドックスを乗り越えたのが、GAFAに代表されるネットビジネスの特徴だといえます。
そう考えると、現代のビジネスは人の手によって思いっきり厳選した【逸品】か、AIマッチングなどを含め無数の選択肢の中から徹底的にパーソナライズされた【その人だけの顧客体験】を提供するかのどちらかでないと、なかなか購買に結びつかないともいえるかもしれませんね。選択肢が多い方がように見えて、実はそうではない。
家電の高機能化とかもそうだが、「お客様の要望にすべて対応した全部盛り」が、全部盛られた結果として求めるモノになっているかというと違う。コンセプトとそれによる取捨選択をしていくことは、商品やサービスイメージを尖らせて、またマーケメッセージを訴求していく観点でも重要だと思う。
小売でもメーカーでも、多品種に特化するところと、あえて絞り込んで訴求するところで二極化が進んでいくと思っている。