データセンター、消費電力急膨張 10年で15倍の試算も
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
データセンターに限らず、AIで多用されるGPUサーバも熱源の塊です。例えば、NVIDIA DGX A100という最新のGPUが8枚刺さっているサーバは消費電力最大6.5kW。ドライヤーを4-5個つけっぱなしにするのと同じ電力を消費し、消費されたエネルギーは熱に変わります。それくらいの熱なら、と思われるかもしれませんが、それはたった897.1 D x 482.3 W x 264.0 H [mm]の箱が出す熱であり、そういうのがたくさんあることを想像してみてください。
NVIDIA® DGX A100
https://www.gdep.co.jp/products/list/v/5f969d2b2acd1
電子機器の熱耐性は車載用とか軍事用は別にして、思いの外許容範囲が狭いです。例えば、HDDは一般的に40度までとされており、しかし30度を超える環境に置かれると急激に故障率が悪化します。その温度を維持するための空調のエネルギーも馬鹿になりません。データセンターではコンピュータからの発熱と、コンピュータを冷却するためのファンなどの消費電力の二つの内、特に後者の冷却のための電力が大きくなっています。このため空冷ではなく液冷を使うところも現れています。
GoogleやAmazonなどが独自チップを開発する理由には性能の向上もありますが消費電力の削減も大いにあります。データセンターの電力は一般に原発1基分といわれていますので、それ以上電力を増やせないのが実情です。自分の仕様に合わせた独自チップを開発すると、消費電力を増やさずにコンピュータ 台数を増やしたり、性能を上げたりできます。だから、GAFAMたちは競争して独自チップを開発しているのです。
日本ではさくらインターネットが北海道石狩にデータセンターを設置していますが、まさに発熱の問題を解決するためです。世界中のデータセンターの電力消費は200TWh、つまり2000億kWhですが、気候変動の仕事を本格的にやり始めて理解したのが、下記はほとんど同規模なのです。
・世界中のインターネット産業の総電力消費量
・世界中で10億人が使うパナソニック製品の電力消費量
・日本の家庭における総電力消費量
・東京電力の全ての総発電量