No.288 検証洋上風力入札③ 報道にみる低価格の解説と欺瞞 - 京都大学大学院 経済学研究科 再生可能エネルギー経済学講座
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三菱商事の「革命的」安値受注で圧勝というニュースが駆け巡った日本の洋上風力業界ですが、なぜそれが実現できたのか真剣に考察、推論を重ねているこのシリーズ。①、②も面白かった。基本的には単体プロジェクト収支では説明がつかない水準であるという結論なのですが、一方で思うのは多くのエネルギー関連企業にとって、自社の事業ポートフォリオに再生エネルギー事業がないことによるマイナスの影響が非常に大きくなってるということだと思います
再生エネルギー事業への取り組みが足りないことによって資本市場や間接金融市場、また人材市場や世論的にマイナスの影響を受けることを回避するためのコストと考えれば、需給の関係から数少ない大型案件に各社が殺到し、単体収支は取れなくても獲得するインセンティブは十分にあるのではないかと感じます
もちろんそれでは再生エネルギー事業単独の会社は戦えないですが、大きな資本を持つ会社が炭素事業を継続する、会社を維持する必要コストなんだとすると、単体事業の収支があわなくても直ちに「継続性がない」とは言えない気はします
注目のコメント
このシリーズで是非取り上げて欲しいのはまさに入札勝ち取った後の住民向け説明会。
省庁の風力部会というコーナーでいくらでも議事録等閲覧できます。
・ゲームチェンジに応え国の威信にかけて取り組む政府・企業群
・自分の地域の発電のためでもないのに海岸から2kmにどでかい建設物を建てられる地域住民
どれが正しいとかではなくて、環境立国として再エネを導入していかなければならずその旗をふる政府と、利潤追求もありながらその要請に応える企業と、そうした大きなウネリの中で包摂されない地元住民と、そうした構図を知らない電力消費者。
このなんとも言えない構図について取り上げて、是非現場を知らない人たちにも身近に感じてほしいなぁと思ってます。