IMFの警告…2022年、狙われる新興国「BEAST」とはいったい何か?
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このブログの著者のKenneth kangとStephan Danningerはかつて日本を担当していました。その頃は毎年日本に来られていて(Kangは元日本担当副チーフ)、日本の当局者にはとても良く知られていますし、学界でもしっかり活動している立派な経済学者です。私も何度かミッションで一緒に旅をしましたが、誠実、かつ、しっかりとデータに基づく分析をする同僚という印象でした。
このブログも、(ブログと呼ぶにはやや重めの内容ながら、)正面から真摯な警告を発している印象を受けました。なお、BEASTという言葉はIMF自身は使っていませんし、使えるわけがありません。B、A、S,、Tは全てG20メンバーで、残りのEもIMFの長年の理事国です。
注目のコメント
かつてのPIGS然り、今回のBEAST然り、こう侮蔑的な表現をするのが、欧米筋の投資家だなあと感じてしまいました。
FRBが緩和を回収し、次の危機の種を蒔く。グローバルに、こうした循環が30年近く続いているわけですが、その間に成長出来ている米国や中国などと比べますと、憂国論には余り与したく無いものの、大幅なマイナスを記録することはあれ、低成長に喘ぎ続ける日本に、リーマン後の様な円高(まあ信用力というより投機的流れでもありましたが)があり得るのか、非常に疑わしいものがあります。IMFが立て続けにFed正常化に伴う新興国の危機に警鐘を鳴らしていますのでこの辺りを改めて議論させて頂きました。総じて「いつものこと」ではあるものの、その傷は深くなる可能性があります。今次局面の経済格差は元々の地力の格差もさることながら医療体制の違いも効いているという差異があるため、今までよりも深く、そして長引く可能性が懸念され、不可逆的なものになるという指摘もあります。
なお、昨日も報道にあった債務増加の件については新興国も先進国も水準としてはGDP対比で大きな違いがあるわけではありませんが、新興国は「債務を増やした割に経済状況が良くない」という点が悲観されています。この点、「債務を増やした割に経済状況が良くない」という筆頭は実は日本なので、日本は先進国と新興国の間くらいに位置しているようにも見えます。