新型コロナ感染者は2万5742人
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イスラエルの接種率ですが、考慮すべき点が二点あります。
まず人口構成の違いです。イスラエルの人口ピラミッドは見事な富士山型で、子供か多く高齢者が少ないです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Demographics_of_Israel#/media/File:Israelpop.svg
子供が多いと人口全体に占める接種対象人口の割合が小さくなります。また高齢者は一般的に他の年代より接種率が高いですから、高齢者が少ないと人口全体に対する接種率は低くなります。
二点目は接種制度の違いです。一般論として国それぞれに対象年齢や接種完了の基準(COVID感染+1回接種で完了とする国もあります)は異なるため、全人口に対する接種率は接種政策の達成度を国際比較する指標としては不適切です。
この二点から一般的によく引用されるOur World In Dataの数字はワクチン接種の国際比較にはイマイチと個人的には考えています。
比較には例えば年代別の接種率を用いるべきで、そのためにはそれぞれの国の情報源を探す必要があります。
というわけで、イスラエル保健省による以下のダッシュボードを見つけたのですが難易度高いです。ヘブライ語だぁ(笑)
https://datadashboard.health.gov.il/COVID-19/general
ともあれ日本と比較すると高齢者の接種率はやや低い、特に後期高齢者は低い。対して若年層は日本よりも接種率が高い。二回接種と一回接種の差は確かに謎といったところだと思います。まぁマスコミは『最多・サイタ』と言いたいようで、まるでチューリップの歌のよう・・・。さて最多を更新するかはどうでも良くて、この記事に便乗して『イスラエルのワクチンと流行の誤解』についてコメントしたい。
現在イスラエルは過去最多の流行をしていて、ワクチンに懐疑的な人たちからは『ワクチンを４回打っても流行してるじゃん！(ワクチン無意味)』的なことが言われています。例えばこれ。
https://twitter.com/partyhike/status/1481905741636464640
ですがイスラエルがワクチン先進国というのには誤解があります。たしかに世界に先行してワクチン接種を進めました。今もブースターどころか４回目の接種の報道などもされています。ですが、データを注意深くみると２回接種が完了した人の割合(※１)は約65%です。ちなみに日本は約79%です。
日本の接種率はイスラエルより約２割ほど多い計算になりますが、発想を逆転させてみて未接種率を考えてみましょう。イスラエルは約35%※２で日本は21%です。日本で未接種なのはイスラエルの約6割ということになります。
【結論としてはイスラエルはワクチン接種を強力に進めた国だが接種がそれほど進んでいない国】ということになります。
※１：これはワクチンが打てない年令の人も含んだ割当なので成人やとりわけ高齢者の接種率には更に大きな差があります。
※２：今回は話を単純化するため１回接種は未接種扱い、３回以上の接種は２回完了扱いにしています。
P.S. ２人のコメントありがとうございます。分析の難しさと面白さをコメントをもらうことで感じます。Hasegawaさん、イスラエルではユダヤ人以外のイスラエル国民のワクチン接種率が低いそうです。
→パレスチナ人もいますから。ユダヤ人に注射されるのは嫌だと考える気持ちも分かります…
イスラエルのユダヤ人人口比率は74%だそうです。
