2022/1/14

【伊藤穰一】Web3は、日本にチャンスがある

Web3は本当に「理想」を実現できるのかーー。
この問いをぶつけるのに、この男ほど、適任者はいないだろう。
伊藤穰一。インターネットの黎明期から、四半世紀以上にわたり、テクノロジーの進化を最前線で観察し、体現してきた人物である。
この業界のアップダウンを全て経験してきた伊藤が語るWeb3の可能性とは?そして、そこで日本が発揮できる強みはあるのか。その洞察のすべてを語ってもらった。
INDEX
  • ①バブルだから、できること
  • ②環境若者 VS 資本主義おじさん
  • ③日本の強みをちゃんと見直そう
  • ④NewsPicksはNFT向き
  • ⑤日本が今からできること

①バブルだから、できること

──伊藤さんは今のWeb3の盛り上がりをどのように見ていらっしゃいますか?
数年前に、ICOバブルが弾けたのもあって、少しバブルを恐れている方が多いかもしれませんが、実は結構面白いことが起きているんですよ。
私は特にアーキテクチャの変化に注目しています。
(出所:USV/The Generalist)
Web2.0においては(インフラ側に近い)プロトコルレイヤーが非常に薄かった。ですからインターネットのプロトコルレイヤーって常にお金がないんです。例えば、TCP/IPを運営しているITFなどにはお金がないですし、その代わり上に乗っかっているアプリケーションレイヤー、つまりFacebookなどにお金が集まったんですね。
それに比べてWeb3では、ビッドコインやイーサリアムなど、プロトコルレイヤーにすごくお金が集まっているんですよ。お客さんのオーナーシップ(所有権)がアプリケーションレイヤーからプロトコルレイヤーに移ったということです。
これはすごく大きい変化だと思います。