2022/1/9

【異変】少年スポーツの主流が「ゲーム」になる未来は間近

INDEX
  • スポーツ離れがじわじわ進行
  • 新型コロナが「移行」を後押し
  • 子どものスポーツが家計を圧迫
  • コロナを機に習い事を断捨離
  • 大人の介入がスポーツを歪めた
  • ゲームで広がる親子の会話
  • 認知度の上昇で親もゲームを容認

スポーツ離れがじわじわ進行

寝室のドアにはミニサイズのバスケットゴールが掛けられている。ドレッサーの上にはサッカーのトロフィーが複数飾られている。どちらのスポーツも、グライムス家の兄弟、デービッドとマシューのお気に入りだが、最近では家庭用ゲーム機に押されつつある。
デービッド(13)とマシュー(11)は、eスポーツのプレーヤーなのだ。
デービッドは毎週月曜日の夜、YMCAのコーチからオンラインで指導を受け、水曜日には仲間たちと対戦している。マシューは木曜日にリーグ戦に参加している。2人とも月に少なくとも1回は、『大乱闘スマッシュブラザーズ(スマブラ)』のトーナメント戦に出ている。
デービッド(左)とマシューのグライムス兄弟(Jake Dockins/The New York Times)
Z世代の中には、上の世代のためにつくられたバスケットコートやサッカー場から、プレイステーションやXboxへと主戦場を移す若者が増えている。デービッドとマシューもその一員だ。
もちろん、二者択一というわけではない。グライムス兄弟をはじめ、多くの子どもがバーチャルでも現実世界でもスポーツを楽しんでいる。
それでも、eスポーツの台頭が従来型のユーススポーツを犠牲にして成り立っていることは明らかだ。

新型コロナが「移行」を後押し