2022/1/28
【佐渡島庸平】僕が睡眠と腸内環境に投資をする理由
株式会社ヤクルト本社 | NewsPicks Brand Design
華々しく活躍するトップランナーにも、さまざまな外圧による精神的なストレスを抱え、眠れない日々があった。
そんなハードシングスを乗り越えた彼らが、今だからこそ語れる学びとストレス緩和策とは何か。
連載「あの人に聞く。ハードシングスの乗り越え方(全3回)」。
初回は、編集者の佐渡島庸平氏が登場。
講談社在籍時に『バガボンド』『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』などのヒット作を生み出し、その後クリエイターエージェント「コルク」を創業。
経営者としても手腕を振るう佐渡島氏は、これまでどんなハードシングスにぶつかり、それをどう乗り越えてきたのか。
また、「睡眠と腸内環境に人一倍こだわっている」と語る同氏の体調管理法とは。
いつも“ご機嫌”に働く佐渡島氏の言葉から、ビジネスパーソンがすこやかに走り続けるためのヒントを抽出する。
ハードシングスは「楽しむ」ものだ
── 編集者・経営者として活躍する佐渡島さんが、これまで一番悩んだのはいつですか?
佐渡島 一番悩んだ時期か……それで言うと、「常に今」ですね。
僕は、過去の自分と今の自分を比較したり、過去に意味づけをしたりしないようにしてるんです。
人間の記憶は「妄想」と言っていいくらい、いい加減なものだから。
「あの時の自分、落ちてたな」「何もできていなかったな」と思うのは、過去の自分への決めつけと同じ。
本当はもっと複雑な感情だったはずなのに、「悩んでいた」という一事象だけを取り出すことになります。それって苦しくなる生き方かなって。
だから、僕はあまり過去を気にしません。
むしろ、年を重ねるごとに自己理解が深まって悩みへの対応能力が高くなっているので、人生の「ご機嫌度」は上々です。
よく人生の浮き沈みを曲線で描く、モチベーショングラフってあるじゃないですか。僕、いつ描いても右肩上がりで下がったことが一回もないです。
本当に、ずっと上を向いている(笑)。
── なかなか見たことがないモチベーショングラフです。振り返ってみると、あれはハードシングスだった、とかもないですか?
もちろん、その瞬間瞬間で大変だったことはあります。
僕は、「自分の能力や許容を超えたできごと」をハードシングスと捉えていますが、新人編集者だった頃は新連載の人気がないとかで悩んでいたし、独立してコルクを立ち上げた時は、ビジネスモデルや組織を一から作るのが難しかった、とかいろいろです。
ただ結局、このクリアできるかできないかのギリギリの状態が、一番楽しいんですよね。
不安とワクワクって僕にとっては同義で、少し刺激があるくらいがちょうどいい。
だって先が見えすぎるとつまらないし、不安が大きすぎたら、取り組む気もしないじゃないですか。
いくらハードなことといっても、コロナ禍のような大きすぎる課題を解決するのは難しいもの。
だったら、自分が解決したいと思える課題に取り組んだほうがいい。
実は、この「自分の課題をどこに置くか」が非常に大切で、うまくハードシングスを乗り越えられている人は、意識的かどうかはさておき、みんなやっていると思います。
ちなみに僕は、何か課題に取り組むときは半年後とか1年後の自分ならできそうか、そして何より取り組んでいて楽しそうか、で判断します。
もっとも、絶対に解決しなくちゃいけない悩みとか課題って、この世にそう多くはありません。
放っておくとどうでもよくなったり、時間が解決してくれたりすることが多いのに、目の前にあるからというだけで、それに囚われて疲弊するのは非常にもったいない。
だからこそ、自分が乗り越えられるかどうかの瀬戸際のハードシングスを見極めて、3歩進んで2歩戻る「人生すごろく」をいかに楽しむか。
そういう考え方ができると、悩みは自然と減っていくと思います。
悩むときほど「視点をずらそう」
──すごく理想的な悩みとの付き合い方ですが、なかなか実践するのは難しそうです。どうすれば、佐渡島さんのように客観的に捉えられるのでしょうか?
僕は悩みや課題だけを見るのではなく、その対象を取り巻く人や環境などにも目を向けるようにしています。
たとえば、会社の上司との関係性に悩んでいると、つい上司の言動や行動に目が行ってしまうけど、一歩引いてその上司の人間関係について考えたり、会社の経営状況や、もっと広げて社会情勢にまで思いを巡らせてみたりする。
上司と私という1つの関係性だけではなく、上司と会社、上司と社会と、視点を増やしていくと、メタ的に思考せざるを得ないので、自然と自分の悩みも客観視できるようになります。
そして、往々にして今まで思いつかなかったアプローチもひらめいたりするものです。
── 悩んでいるときは、ついつい視野が狭くなってしまいますからね。
だからこそ、僕は普段から「視点をズラす」練習をしています。
具体的には、自分を「リアルタイム」で面白がるんです。
何か大変なことや落ち込むことがあったとき、もちろん感情としては悲しいんだけど、一歩引いて、そんな自分を「ウケる」と思ってみる。
僕が自分をめちゃくちゃ面白いなと思ったのが、自動車学校の合宿で、筆記試験に連続で落ちたとき。
周りの人はどんどん受かっていくのに、何回受けても本当にだめで。こんなこと暗記したくないっていう拒否反応が強すぎたんでしょうね(笑)。
で、かなり落ち込んでたんですけど、一方でもう、できなさすぎて面白いなと。そう思えたら、一歩引いて自分を見られるようになりました。
「一番の喜劇は他人の悲劇」という言葉がありますが、どんな悲劇も当事者以外にとっては「よくあること」だし、「面白いこと」でもある。残酷な話ですけどね(苦笑)。
だから、どんな悩みに対しても変に気負わず、「なんかウケるな」と、いい意味で軽く受け止める。それを繰り返していると、案外大きく構えられるようになりました。
「睡眠」と「腸内環境」に投資する理由
── 佐渡島さんは、ストレスも悩みも、すべて自分でコントロールしているから、毎日「ご機嫌」に働けるんですね。
いやいや、そんなことないですよ。ここまで悩みと付き合う方法をお話ししてきましたが、僕、自分で自分をコントロールできるとは全く思ってないんです。
『利己的な遺伝子』という本に詳しく書かれていますが、むしろ自分は遺伝子と脳内物質に乗っ取られた存在で、コントロールされる側だと思っています。
だからこそ、最近は世間と戦うより、そういう本能や身体なんかと戦うほうが面白くて。ここ数年は、Fitbitという心拍数を測るスマートウォッチで毎日体調を管理したりして、かなり健康を意識しています。
特に今こだわっているのが、睡眠と腸内環境です。
── 睡眠はよく聞きますが、腸内環境にこだわる人は珍しいんじゃないですか?
腸内細菌は、7、8年ぐらい前から、ヘルスケアに熱心な人たちの間で注目されているんですよ。
体調はもちろん、肌とか機嫌とか、さまざまな要素を左右するカギが実は腸内細菌にあるんじゃないか、と。
大便には腸にいたさまざまな細菌が含まれているので、研究者の間では情報の宝庫という意味で「茶色い宝石」と呼ばれているくらいです。
それを聞いて以来、僕も腸をかなり意識するようになりました。
納豆、キムチ、味噌汁などの発酵食品を食べる、お酒を飲むのを控えるといった工夫をし、Fitbitのスコアを見て仮説を立てながら、チューニングしています。
ちなみに、いろいろ試すなかで、一番腸内環境の改善に良いと感じているのが乳酸菌 シロタ株の「Yakult(ヤクルト)1000」です。
実は、睡眠の質には腸内細菌が大きく関係していると言われています。
で、Fitbitで確かめたところ、「Yakult1000」を飲んだ日とそうでない日とでは、睡眠スコアの高さがまったく違う※。(※注:あくまでも佐渡島氏の体験です。)
それに気づいてからは、毎日就寝の2時間前に「Yakult1000」を飲むようにしています。
いくつか僕なりの「Yakult1000」に関する仮説があるので、Fitbitのデータを持っていって、ヤクルトの研究者の方と対談できるチャンスを密かに狙っています(笑)。
他人を知る前に、まず自分の身体を知る
── 佐渡島さんの体調管理へのストイックさに驚きました。
もともとデータから仮説を立てて、実行するプロセスが好きなんですよ。それに、自分の体調を管理することで、結果的に他人への解像度も上がるんです。
ビジネスでもプライベートでも、僕たちは必ず他人と接しています。
それがどんなに親しい関係だったとしても、別の存在だから他人の本当のところはわからない。だから、僕たちは推測するしかありません。
でも、結局、人間を突き動かすのはエネルギーで、その根底にあるのは身体。
身体の仕組みを知るほど、体調はもちろん、顔色や言動などをとおして、相手の考えや心持ちまで推測できるようになっていきます。
それで僕は、自分の身体と向き合っているんです。
── 他人を知るというと、ついその人の経歴や性格などに目が行きますが、佐渡島さんは「身体」に注目するんですね。
経歴とか性格って、つまるところは「人を知る」じゃなくて「社会を知る」なんですよ。
こんな資格を取ったとか、こういう家庭で生まれ育ちましたって、自分に対して社会が要請しているものは何かを説明しているだけなので。
だから、本当にピュアに自分や他人のことを知りたければ、身体に目を向けるのが一番です。
自分の身体を知っていくのは結構楽しいですよ。心拍数や呼吸のあり方、腸の動きなんかは、毎日同じように見えて、まったく違います。
僕が最近黙っているときは、鼻の通り具合はどうかなとか、どんな大便が出るかな、とかそんなことばかり考えています。もう、チェックポイントがいっぱいですから(笑)。
自分を知るという意味で、体調管理ほどコスパの良いアプローチはありません。
自分も健康になって、他人への解像度も上がって、結果として仕事やプライベートの充実度も上がっていくわけですから。
ハードシングスも、悩みも、生きる上で結局避けては通れないものです。
だから僕は、自分でコントロールできるところから少しずつ変えていく。これからも「ご機嫌」に生きたいですからね。
・届出表示:本品には乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)が含まれるので、一時的な精神的ストレスがかかる状況でのストレスをやわらげ、また、睡眠の質(眠りの深さ、すっきりとした目覚め)を高める機能があります。さらに、乳酸菌 シロタ株(L.カゼイ YIT 9029)には、腸内環境を改善する機能があることが報告されています。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
・本品は機能性表示食品です。特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
・食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
・本品は機能性表示食品です。特定保健用食品と異なり、消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません。
・本品は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。
デザイン 小谷玖実
撮影 小池彩子
編集 高橋智香、樫本倫子、大高志帆
撮影 小池彩子
編集 高橋智香、樫本倫子、大高志帆
株式会社ヤクルト本社 | NewsPicks Brand Design