2022/1/8

【日本発】グーグル出身のAI科学者が生む、秘密企業の実力

NewsPicks 編集部(シリコンバレー支局長)
2020年下旬、産業用ロボットを作るデンソーウェーブに衝撃が広がった。
小型の産業用ロボット開発で、世界トップクラスのシェアを誇る彼らは、人工知能(AI)で動くロボットを作ろうと試行錯誤を重ねていた。
ロボットを動かす頭脳を作るのに、実に2年を費やしていたのだ。
ところが、その難題を3カ月で解いた企業が現れた。米グーグル出身のAIサイエンティストらが立ち上げた「インテグラルAI」だ。
インテグラルが開発したのは、ロボットが人間の動きを学んで、自ら考えて動くようにする「AIのエンジン(ソフトウェア)」だ。
「やってみようと言ってから、製品になるまでが本当に早かった。我々がついていけない感じだったほどだ」
デンソーウェーブのFA・ロボット事業部の井戸本武士さんは、ロボット業界ではありえない開発スピードだったと話す。
しかし、インテグラルにとって、このデンソーウェーブとのプロジェクトは壮大な夢への一歩にすぎない。
彼らが思い描くのは、人が命令するだけで、ロボットが「自在に」動く世界だ。そんな未来は、10年後にやってくるだろうか。
いや、彼らは今年にもその世界が体験できるようになると鼻息を荒くする。
最先端のAI研究に15年以上どっぷりとつかったサイエンティストたちは今、世界をどのように変えようとしているのだろうか。
ステルスモードを脱したばかりのスタートアップを、NewsPicks編集部が初公開する。