多くの人が知らない、牛乳の「深い闇」…「水より安い」のウラにある残酷な現実
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アニマルライツセンターが「牛乳のひみつ」として公表したマンガに対し、酪農家が真っ向反論するというSNS上の論争が話題になりました。
https://www.j-cast.com/2019/07/03361777.html?p=all
どちらが言ってることが本当なのか、多くの日本人は知らない。
酪農の実態が正確に知られていないこと、ここに根本的な問題があると思います。
多くの人間が事実を知らない状態で、「深い闇」とか「残酷」といったような表現だけが先走りすると、一層の対立を生むだけのように感じます。
対立させるのではなく、消費者、酪農家、小売りなどが連携して、動物の福祉を守っていくべきです。
アメリカやヨーロッパでは、大手のスーパーなどがアニマルウェルフェアの観点から、酪農家に対して飼育方式を指導し、ブランド化している事例が見られます。日本でも一部の地域や生協などでそうした事例があります。
なお、アニマルウェルフェア(動物福祉)とは、「動物愛護(愛して護る)」とは違って、「生命、幸福、自由を尊重する」という「倫理」を意味します。
日本の一部の畜産ではこれが守られていないことは事実でしょう。
たとえば日本人の大好きなサシ牛肉は、運動させない&濃厚飼料を多給する生産方式で、牛の身体に多大な負荷を与え、死亡率は7%以上に達しています。
こうした明らかに「倫理に反した」畜産はやめさせていかないといけません。一方、酪農の多くが悪だと印象付けるような議論は何も生まないと考えます。家畜は人類が数百数千年かけて野生動物を有用生物として進化させた生き物です。
人が管理しなければ生きられないし、野生動物のように扱えば健康というわけではない。
私たち人類も自分達をある意味家畜化して、都市環境という器や家族、教育などの鎖をつけることで繁栄できるように進化してきています。
無数の試行錯誤の上で今の家畜と人類の関係が生まれています。
気候の問題などとの関係で見直しが必要であることは間違いないのでしょう。
しかし、
他の生物を擬人化して人類と同じように扱うことがアニマルウェルフェアというのはむしろ先人の努力と
その恩恵に預かって実現している健康長寿社会に対して傲慢な考えではないでしょうか。うちでは、春から秋にかけて昼夜放牧し冬は牛舎内で繋ぎ飼い(タイストール)です。
除角は放牧中に牛同士の怪我を予防する上で必要です。
ホルスタインでは無角の品種もあり、それを人工授精すれば産仔は無角なので除角作業は不用です。無角でない場合は麻酔を使用して牛の負担が少なくなるように配慮しています。
また、性判別精液が普及しており効率的にメス牛を得られます。
断尾している牛は最近見かけません。(搾乳パーラーや搾乳ロボットの普及拡大の影響?)
記事の内容について、上記以外にも現場と異なると感じる点があります。
正解の無い仕事なので毎日牛と本気で向き合っています。