中国恒大、住宅開発事業の大半で建設再開

コメント

注目のコメント

• 小原 凡司

  笹川平和財団 上席研究員

  ・2021年12月28日

  恒大集団のデフォルト問題は、中国の消費者や投資家を不安に陥れ、中国経済や金融システムを混乱させるのではないかと危惧されています。そうした状況にあって、中国の中央銀行である人民銀行は、中国の経済を混乱させない、中国の消費者を守る、と繰り返し宣言してきました。住宅開発を再開し、すでに支払いを済ませた中国の消費者たちに製品を供給できれば消費者の不安は解消されます。
  しかし、中国政府は恒大集団を救済する意図はないように見受けられます。中国は秩序ある再編に導こうとしていると言われます。この過程で、外国人投資家の利益がどの程度守られるのかは不透明なままです。
  現在、中国では、国家のレベルでも地方政府のレベルでも、債務の問題は深刻になってきています。中国国内の経済格差の解消のためにも、大きな資産や情報を個人や民間企業が掌中に収めて過大な影響力を持つのを阻止するためにも、中国政府は特定の分野の規制強化に乗り出しています。こうした規制が他の要因と相まって、中国経済や社会にどのような影響を及ぼすのかを注視していく必要があります。