企業はなぜ失敗を繰り返すか カギは職場の「心の安全」
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心理的安全性は重要ですが、一方で勘違いされやすい概念でもあります。
率直にものが言える状況をつくるのは、とても難しいのです。これは理屈の問題ではないのです。本能の問題なのです。
我々は社会の中でしか生きられず、社会には自然に序列(上下の関係)が生まれるのです。これに抗うのは、頭では分かっていてもむずかしいのです。
単なる心がけだけでは不十分で、仕組みが必要です。心理的な安全性を確保するために必要なことは、個人のマインドや行動よりも、ピラミッド型で上位に権限(特に人事評価権)が集中する組織構造を変えること。
みずほ銀行に『心理的安全性』の重要性を理解してもらう研修を何遍やってみたところで、まずもって変わらないと断言できます。実際に提唱したGoogleがそんな研修をやっているかといえばやってない。
スタッフのサーベイフィードバックでスコアの低いマネージャーをマネジメントから外すだけ。ボトムの意見を人事評価に反映させているのです。日本でそれをやっている企業がどれだけあるのでしょうね。みずほファイナンシャルグループ、三菱電機、不祥事を繰り返す企業には共通した体質がある。それは「言ったもん負け」の体質だ。
会社は、不祥事のたびに、制度を作るが、しかしその制度を使って意見を言うと「担当でないのに口を挟むな」「言われたとおりにやっていればいい」と怒鳴られる。
そうした職場には「心の安全」を従業員が保つことができず、組織としては同じ失敗をくりかえす。
全日空は「アサーション(主張)」という制度を導入し、主張に対して指摘された側は「アサーションをありがとう」から始める、ことにしていると言う。
これ、誰にも心当たりのあることだと思う。私も、先日ある組織で同じ経験をした。「主張をすること」は「失礼だ」として提案そのものを却下しようとする。
そうした組織とはつきなわないにかぎるが、そうはなかなかいかないのが、頭の痛いところ。だからこの記事を日経が出すのは貴重。