この連載について
教養を身につけたいけども、忙しすぎて学ぶ時間が取れない。一方で、日々のニュースだけでは、体系的な知識を得られない──。そんなビジネスパーソンに向けて、NewsPicks編集部が月ごとにテーマを設定し、専門家による解説記事をお届けする。週末のひとときで、手軽に「新書一冊分の知識」を体得してほしい。
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もちろん事業化やビジネスとしてうまくいくことが大事ではありますが、社内新規事業は起業とは違って「既存事業の変革」も最終的な目指す姿の一つと考えると金丸さんのお話されていることの重要性がさらに分かってくると思いました。
全ていきなり変えていこうということではなく、多産多死を進めていくなかで、たくさんの既存事業との行き来をし、社内の色々なところに徐々に少しずつ変革の種をまくことができますよね。
それに既存事業がある中で新規事業ができているってことは常に稼いでいる既存事業部門の方々に感謝し続けなくてはいけないので、本当に重要な考え方だと思いました。
私もトヨタ自動車の社内新規事業を支援し、推進する立場ではありますが、上記の「既存事業の巻き込み」は起案者や事務局メンバーと常に悩みながら進めています。
その際に2つポイントを特に大事にしながら、
現在仕組みとして作り込めるように推進しております。
①既存事業巻き込みのフェーズ
②既存事業部門を巻き込む機能の構築
①は特に新規事業の初期フェーズでは「社内」よりも「顧客」に向き合う必要があるため、初期はとにかく顧客に向き合って頂き、顧客課題が特定され解決策仮説がたち、ある一定事業の枠組みが見えた段階から巻き込むように動きはじめる。
②に関しては上記①を起案者に任せてしまったら新規事業の仮説検証をする時間がなくなってしまうため、いかに一つの突破事例を仕組みにできるかを作り上げていっています。
特に安全、品質、セキュリティ、法務、知財、人事などなどは既存事業の方々にご迷惑をおかけしてはいけないため、うまくコミュニケーションが定期的にとれるような仕組みを今後構築できるように進めています。
(ガバナンス側だけでなく、金丸さんが書かれている新規事業を進めるための既存事業のアドバイザリーや「支援機能」もとても大事なので、こちらも平行して進めています)
まだまだ私たちも道半ばではありますが、新規事業だけが着目されることも多く、社内でネガティブな印象をもたれてしまってはそれこそ意味がないので…
常に既存事業の方々に感謝し、リスペクトをしつつ、大きな会社のポジティブな変革、そこからのベンチャーにはできない新規事業が生まれてくると、ほんとに日本は変わってくる…と信じています。
先日、金丸さんとお会いした時に、同席した方から「金丸さんと一緒にいると、元気になるよね。周りを元気にしてくれる人だよね」と言われました。
これからも、大企業変革/起業挑戦者を照らす、太陽であってほしいと思います。
新しいものはたとえ社内であっても初めっから全ての人には受け入れられないもの。なのでひっそりと成長させ、その過程で社内で業務が機能するように様々な人と接点を持ち、いつでも助けて貰えるような状態に、いつの間にかなっている。こんな感じでしょうか。
私も振り返ってみると、事業初期の成長段階で(意識的にも偶然にも)社内の様々な方と接点が持てて、結果的に本当にたくさんの人に支えられて事業を伸ばせたんだなぁと感謝の気持ちでいっぱいです。
巻き込み力というか、支えてもらえる力。それも人間力の一つだと思いました。
すごく共感したところ抜粋しました(ありすぎて大量です)。
共感ポイント↓
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- 個人でできることには限界があるかもしれないけれど、私たちがマーケティングや営業をお手伝いできれば、「食品」を媒介にできることは限りなくあるような気がしたんです。”
- 前社長に相談したら、「それなら『森永』の名前は使わないのも面白いんじゃないか」と言われたんです。
- 資料は何度も作り直しましたし、今その資料を見返したくもないですが(笑)、本当に人に恵まれたと思います。
- 時間はかかるかもしれませんが、結局のところ、人間って感情で動く生き物じゃないですか。自分にない能力や機能が森永製菓の中にはたくさんあるので、どうやって面白いと思ってもらって、協力を取り付けるかに懸命でした。
- 予算も人員もなるべく波風を立てない範囲でお願いしたつもりですけど、実は私の知らないところで波風は立っていて、誰かが戦ってくれていたのかもしれません。
- 新しい文化をつくるために「モノ」に重心をかけてやっていくのはしんどい。そして「モノ」だけでは新しい文化はなかなか定着しないと感じた、というのが正直なところです。
- そこはやはり大企業の力で、アドバイザリーの宝庫なんです。世間一般のベンチャー企業よりも親会社に甘えている部分がたくさんあって、安易に「シナジーだ」なんて勘違いしてはいけないところですね。
- ただ、森永だけでなく食品産業全体の「出島」になりたいとは思っています。メーカーごとの既存事業に当てはまらないもの、現時点では大量生産に乗せられないものを作ったり、テスト販売したり、理解のあるお客様に集まってもらって接点を作る、SEE THE SUNがそんな場所であれたら嬉しいですね。
やりたい事が明確であればあるほど、つい先走ってしまいがちですが、自分の周り360度(上司、同僚、部下)にいるあらゆる立場のメンバーと、しっかり同じ立ち位置にいるかを、場を読みながら進み、全員を巻き込んでいくことが大事。なぜなら、やらされ感がなく、一緒に同じゴールに向かっている連帯感で、チーム力が倍増し、結果も大きい達成へ繋がるからです。
さらに、巻き込み型の場合は、どの人を最初に巻き込むべきかという戦略も大事ですね。誰が周りへの影響力が高いかを見極めて、順に巻き込んでいくかです。相手を間違いと、ややこしくなるケースもしばしば。トップダウンと真逆である「巻き込み型」は、時間は要しますが、結果win-winで物事を達成できます。
大企業だから新規事業がどんどんできるかというと、現実はむしろ逆です。その「壁」をどう突破してきたかに着目して連載を構成しました。
みなさんの職場はどうでしょうか。それぞれにエピソードが豊富で、今後もいろいろな切り口で、新規事業の立ち上げについて取材していきたくなりました。
『世の中の新事業や社内ベンチャーでは、バーンと改革案を突きつけて制度そのものを変えるといったやり方もあるのかもしれませんが、私の場合はなるべく波風を立てずに、社内の応援者を増やすことを大事にしていました。
時間はかかるかもしれませんが、結局のところ、人間って感情で動く生き物じゃないですか。自分にない能力や機能が森永製菓の中にはたくさんあるので、どうやって面白いと思ってもらって、協力を取り付けるかに懸命でした。
予算も人員もなるべく波風を立てない範囲でお願いしたつもりですけど、実は私の知らないところで波風は立っていて、誰かが戦ってくれていたのかもしれません。』
いきなり大きな事をやろうとせず、限りあるリソースを最大限活用する為、悩ま様々な問題の中で、"一番解くべき課題"を見出せるか。そこに全リソース投下して、徐々に周りの信頼を勝ち得るか。
進め方はとても大事。