この連載について
経済、産業、地政学、社会など世界規模で起きているトピックの中で、2022年に注目すべき論点や問題について紹介。専門家やNewsPicks編集部の記者が徹底解説します。
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日本最大手の自動車メーカー、世界でもトップクラス。傘下に日野・ダイハツを有し、SUBARU・マツダ・スズキとも業務資本提携。HV技術をベースにPHV、FCV、EVを展開。北米を中心にレクサスの販売も。
業種
自動車
時価総額
62.1 兆円
業績
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世界の大手メーカーが次々とEVの販売目標を打ち出し、株式市場が逐一それに反応するような状況が1年間続きました。そんなEVシフトもさることながら、自動車のもう一つの大きな流れとは「知能化」だと考えています。
これまで、自動車の競争力の源泉はほとんどハードだったと言えるでしょう。燃費や乗り味、コスパが良い車こそが市場に受け入れられてきました。どんなOSを積んでいるか、ソフトウェアがどんな付加価値をもたらすかを意識する消費者はほぼいませんでした。
ただ、自動運転が実現に近づき、車が町と一体化してあらゆるサービスが搭載されるようになると様相が変わりそうです。ソフトウェアの優劣が車の優劣に直結する世界はすぐそこまで来ています。
では、そんな時代に世界最大の自動車メーカーであるトヨタは戦い方をどう変えていくのか。デジタル部門トップで取締役のジェームス・カフナーCDOに疑問をぶつけてきました。
余談ですが、以前、テスラのオーナーにテスラを所有する価値の半分はスーパーチャージャー(テスラ専用の充電器)だと聞かされたことがあります。普通、EVを外で充電したいと思えばQRコードを読み取ったり会員証をかざしたりして充電の代金を支払うという手間があります。その上、急速充電ですらいまいち速くはない。
一方でテスラは、充電ケーブルを挿しただけで車の識別番号や支払い情報を読み取ってくれるそうです。充電の圧倒的なスピードも相まって、相当な付加価値になっていると感じます。これは一例に過ぎませんが、こうしたサービスこそが今後の自動車の付加価値の源泉になっていくだろうと感じます。
自動運転になれば、乗車時の体験やUX/UIは相対的に重要度が落ち、それ以外の関連サービスや保管・充電・保守などの全体の体験に付加価値や差別化の源泉が移っていく。それをトヨタがどこまでリードできるか、期待大。
トヨタがEVの開発を発表しました。(最近ではソニーも!)
僕は勝機あると見てます。
テスラは最初からソフトウェア・ファーストのアプローチを取り、ハードも内製化して人気を獲得しています。これからもソフトの重要性は拡大するでしょう。しかし、ソフトを過信している部分もあり、テスラの最近の大量リコールを見ても結局はハードとも思ってます。
車は使用年数がとても長く、信頼性が高いハードと手厚いアフターサービス体制が必須です。その点、トヨタはテスラと比べ物にならない実績があります。ただ、EV化でどれほど対応が変わるのか。
問題は雇用かと。EVでは部品数が圧倒的に少なくなるのでかなりサプライチェーンに影響を及ぼします。
トヨタの価値源泉のリーンさと、アップデートを前提とする冗長性
ソフトウエアファーストと、安全性を担保しつつの更新性
まだ、いらして5年、もう5年。期待しています。
ソフトウエアファーストで、モビリティを創ってきたテスラ
すでにソフト・ハードでエコシステムで価値創造プラットフォームで3兆ドルに迫る価値をうみ続けるアップル
多様なソフトウエア価値をつなぐグーグル
トヨタは、これまで100年で最も卓越していることを乗り越え
その先を都市で、ソフトで、モビリティを梃子に世界を再創造していって欲しい。