2021/12/29

【超重要】ついに利上げへ。世界を揺るがす米金融政策はこうなる

NewsPicks編集部

NewsPicks編集部

世界を大きく揺るがすアメリカの金融政策。2022年は、パンデミックに突入した2020年3月以来のゼロ金利政策が終了し、いよいよ利上げに転じていく見込みだ。

背景には、極めて強烈なインフレがアメリカで起きていることがある。中央銀行ウォッチャー、東短リサーチの加藤出・チーフエコノミストが解説する。

INDEX

• 予想を大きく外したFRB
• 港湾はまだ20隻が待機中
• 求人面接のドタキャンが増加
• 再任パウエル議長の頭の中
• 新陳代謝する米国、しない日本

予想を大きく外したFRB

「ほんと、うんざりですよ」。数日前、カリフォルニアに住む友人に物価上昇に対する最近の実感を聞いてみたところ、彼はそう答えた。

年末のホリデーシーズンなので、本来は家族と一緒に近隣へのドライブ旅行や外食を楽しみたかったところだが、インフレでその気になれないという。

アメリカの消費者物価指数におけるガソリン価格をこの11月とコロナ禍前の2019年11月とで比べると、3割近くも上昇している。また彼の自宅周辺で軽めのランチを食べようとする場合、少し前まで15ドルだった店が、今は20ドルになっているという。

以下、日本との比較も織り交ぜながらアメリカの状況を見てみよう。

コメント

注目のコメント

• 永濱 利廣

  第一生命経済研究所 首席エコノミスト

  ・2021年12月29日

  ただ、米国では一時的に労働市場から多くの人が退出してしまったため、労働参加率がなかなか元に戻らないという問題もある一方で、日本では失業者が大きく出なかった分、労働参加率は高水準で維持できていることもあります。
  なお、最後のグラフは、米国が平均時給なのですから、日本は現金給与総額を労働時間で割って平均時給に換算しないと正確な比較にならないでしょう。
  アベノミクス以降は短時間労働者数が増えてますから、日本も平均時給にすればもう少し上がっていると思います。
• 辛坊 正記

  (株)ＴＯＡＳＵ特別研究員（経済評論家・コンサルタント）

  ・2021年12月29日

  「（日本では）失業率は極めて低位で推移しているが、経済にリシャッフルは起きず、賃金も上がらない」、「新陳代謝が低調な経済のままアフター・コロナの世界に入っていきそうな感じ」という結論に至る流れに違和感はありません。残念ながらその通りかと納得です。(・.・;)フムフム
  最後の失業率のグラフは日本で失業者が出なかったことを示していますが、日本では、雇用調整助成金等で賃金を貰いながら仕事が無い社内失業状態になった人がコロナ禍で一気に６百万人、失業率に換算して約１０％に急増しています。実際の失業者と併せれば、米国に近い仕事が失われているのです。そうした人たちが企業と労働者が払う雇用保険料と税金で守られて仕事を分け合いながら従来の企業と産業に留まる傍ら、仕事が増えた企業は人手不足に悩んでいます。そして雇用調整助成金に投じたカネは雇用保険料と税金の負担となって未来の労働者と企業の元気を奪うのです。
  社内失業者になるくらいなら一旦労働市場を退出し、手厚い補償でスキルを備えて再登板する方が中長期的に見て日本の成長のためにも当人の賃金アップのためも良さそうです。東証改革が大山鳴動して鼠一匹に終わったとのニュースが昨日今日の紙面を賑わしていますが、オミクロン株への対応もまた然り。変化に即応する米国と変われない日本の現実をそこかしこに感じる昨今です。　(*_*)
• 池田 光史

  NewsPicks CXO

  ・2021年12月29日

  FRBがインフレ予想を大きく外した2021年。世界の株式市場を大きく揺るがす来年の米金融政策は波乱含みです。中央銀行ウォッチャー、東短リサーチ・加藤出さんのディープな分析予測をお届けします。