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ちょっと前までハンズはDIYとはいえ都市型で、行って楽しい場所、何かワクワクするモノのデパートだったのが、ステーショナリーなどはどんどんオンライン販売に移行していく中で、業態としてカインズなどの領域とあまり違いはなくって来ている。郊外型メインで車利用が前提のカインズは、もう少し滞在型というか、カフェやDIY以外の要素も付加した時間消費型を取り入れたいはずで、その領域で既にブランドを持っているハンズとは相性がいい。
ハンズもカインズの調達や物流のスケールを味方につけることで採算性が上がるし、配送などもより効率化ができる。都市型のハンズをショールーム化して、カインズの配送網で商品のデリバリーをする形ができればこれは強い。デジタルファブリケーションなどへの投資とノウハウ構築もカインズのほうが動きがいい印象だし、今後単独では存続できなかったデジファブ関連の拠点化も、カインズがリードしていくことになりそう。
ハンズとカフェを併設することで、郊外型カインズももっとファミリー層を開拓できるかもしれないし、ショッピングモールにもプチカインズとハンズを併設した店舗なども開設しやすくなる。カインズのコンビニ化とハンズのアマゾン化、面白いのでは。
売上高 619億4100万円 (▲34.81%)
営業利益 ▲44億9400万円 (赤字転換)
純利益 ▲71億8700万円 (赤字拡大)
純資産 32億8800万円 (▲68.61%)
https://catr.jp/settlements/3b5a7/204429?fbclid=IwAR2tzUaup6zAgU_qdToBlkwpRlVPw6JiClwg0YGY2r2_glYaFcIm-6KOiYA
東急ハンズの都市部商圏のところには近年ニトリが進出してマーケットを広げていました。想像以上にホームファッションや日常ホームグッズのニーズが都市型でもあり新規顧客も獲得できたと似鳥会長も発言してました。そして島忠のM&Aもありました。
カインズ もここのマーケットを獲りに行くのではないでしょうか。
カインズは、ワークマンも傘下に置くペイシアグループ傘下の企業の一つで、本社は埼玉県深谷市です(今年話題となった渋沢栄一の故郷)
ちなみに、ペイシアグループとしては上場していません(グループで上場しているのはワークマンのみ)。
カインズは、もしかしたらニトリ以上にコロナ禍を追い風にして業績を伸ばしている企業かもしれません。DIYのお店というイメージですが、実際においてある商品のラインナップは幅広く、お家を楽しむ日常品という意味であれば、ニトリ以上に親和性があると言えます。
私が住む埼玉県南部地域では、ニトリ(島忠)、カインズ、ヤオコー、ベルクと地場の小売業の躍進が目立ちます。ほとんどの人が、毎週末、このうちのどれかに買い物に行っていると言っても大げさではないくらいです。
東急ハンズはカインズの上位ブランドという位置づけとして、シナジー効果が高いと理解します。ペイシアグループの躍進は、今後も注目します。
「手の復権」を掲げたハンズさん。日本のクラフトマンシップや、ものづくりの楽しさを提供されてきた歴史を踏まえて、売却後もぜひ理念をぶらさず継続して事業成長していけると嬉しいです。
https://www.tokyu-fudosan-hd.co.jp/news/pdf/2757.pdf
経営的な話や経済合理性の話は置いといて…
東急ハンズといえば、実演販売です。90年代のマーフィー岡田さんの印象が強いですね。テンポのいい語り口と鮮やかな手際で、一見のお客を引きつけます。一世を風靡し、マーフィー岡田さんの「弟子」も何人も出ました。そうした売り方は、2000年代以降、テレビショッピングに移り変わりました。2010年代に中国で爆発的な成長を遂げた「ライブコマース」は、その隣接領域ですね。
カインズの狙いは、そうしたハンズのブランド力でしょう。特に50代以上の世代には、選りすぐりの良品を売っているという印象が強いはずです。ホームセンターは「安さ」をウリにしてきたので、ブランド力を高めることはいいシナジーが出そうです。
他方で、ハンズは多くが賃貸店舗のようで、不動産を保有しているわけではないので、都市型店舗をどうするのかというのも気になります。好立地に大型店を展開するというモデル自体が苦しいので、このまま都市型店舗は消えていく運命なのかもしれません。注目したいところです。
いろいろ論点はあったのですが、重要なポイントのひとつが店舗名称。
当然「ソニー」は使えなくなるのですが、「プラザ」を使用することはOKをもらいました。
ロゴも、当時すでに「PLAZA by SONY」だったので「プラザ」を使えさえすれば、それほど大きなダメージはないだろうと判断したものです。
集客に大きな影響が出ると大変です。
本件でも店舗名称がどうなるか注目。
余談:
当時、若い人にすでに人気でしたが、「ソニプラ」と呼ばれてました。
今の若い人はそれさえ知らないでしょうね。笑
ただ、確かに最近は都市部のちょっと良さげなホームセンター的になっていたのも事実かも。だからといって、「より広いDIYのあり方を目指す」というカインズの発表はちょっと違うような。DIYってことでもないんだけどなぁ。でも、どのように価値向上させていくのか、とても注目です。
また、最近 日本企業によるM&Aの売りが徐々に増えてきている印象があります。もちろんまだまだですが、そろりそろりとコーポレートガバナンスコードでもうるさく言っている事業ポートフォリオマネジメントへの意識が、先進企業を中心に強まってきているのではと見ています。