2021/12/23

【直撃】私たちはこうして「ファブレス」で車を作る

NewsPicks記者
中国製の電気自動車(EV)が、日本市場に攻勢をかけている。
2021年10月、物流大手のSBSグループ(本社・東京都墨田区)が、中国で製造された宅配用1トンEVトラックを約1万台、購入すると発表した。
ある国内自動車大手の幹部は「正直、『やられた』という感覚だ」と話す。
SBSのような物流会社は、輸送中の二酸化炭素(CO2)排出量の削減が喫緊の課題だが、日本にはまだコスト競争力のある商用EVがない。そのスキを突くかのごとく、中国のEVが上陸した形だ。
そしてこの車、ただの中国製EVではない。日本の自動車スタートアップ、フォロフライ(京都府京都市)が現地のメーカーと協業し、日本仕様に改造したモデルなのだ。
フォロフライはこうした自動車の製造・輸入販売を工場を持たない「ファブレス」の形で行うプレイヤーとして、自動車業界で注目され始めている。
自動車のファブレス生産とは、いったいどんなものなのか。そして中国のEVの現在地は。
フォロフライの小間裕康社長に聞いた。
INDEX
  • 「ファブレス」の全貌
  • 重要な「テストのノウハウ」
  • ファブレスが選ばれる理由
  • 中国の「圧倒的」コストダウン
  • 中国車の「猛追」
  • 本当の「ブランド」とは

「ファブレス」の全貌

──フォロフライが手掛けるファブレスでのEV製造とは、具体的にどんな事業なのでしょうか。
小間 まず、私たちは世界中にある車を「プラットフォーム」として整理しています。