【提言】今、アポロ計画こそが「最高の教訓」である
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「なぜ飢餓や貧困によって多くの命が地球上で失われているときに、10兆円もの大金をつぎ込んで国際宇宙ステーションを建設し、月や火星へ人間を送り出そうとするのか。」
非常に重要な問いです。僕もこの問いに大いに悩み、宇宙の道へ進むことを止めようと思ったこともありました。
結果的に宇宙への道に進見ましたが、今でも悩んでいます。やはり、宇宙の問題よりも地球の問題が優先であるのは間違いないと思う。宇宙から地球の写真を撮って「国境線はどこにも写っていませんね、地球は一つです」なんて美談を語ったところで飢えて死んでいく子供の命は一つも救えません。
とはいえ、じゃあ地球の問題を全て解決するまで宇宙には1セントも使うべきではないかというと、そうとも思いません。矛盾しているように聞こえるかもしれません。古い記事ですが、以下が僕の出した答えです。
https://toyokeizai.net/articles/-/13923
追記、それともう一つ忘れてはいけないのは、アメリカはベトナム戦争をしながらアポロもやってたってことです。つくづく、いろんな意味ですごい国です。あのとき、地上の問題が先だというなら、まず止めるべきだったのは明らかにアポロよりベトナム戦争だったでしょう。60年代のアポロ計画はなぜすごかったのか。「飢えた子供を救わずにロケットに国家予算をつぎ込むべきではない」論がなぜまちがいなのか。
「新しい資本主義」論の旗手である経済学者、マリアナ・マッツカート教授の最新著書『ミッション・エコノミー』より、昨日に続いてお届けします。
やや脱線しますが、マッツカートは、NewsPicksでもご紹介した科学思想家マット・リドレー(https://newspicks.com/news/5788096)との論争でも知られています。イノベーションは国家が主導すべきだ、というのがマッツカートで、イノベーションというのはボトムアップ現象なのだから国家主導などというのは(進化論を否定する)創造論と同じだ、というのがリドレーです。とはいえ両者とも、一見カネのムダに思える取り組みが思わぬ副産物(コンピュータマウスや顕微鏡など)をもたらす「スピルオーバー効果」を重視している点や、イノベーション促進には助成金より懸賞金のほうが有効とする点など、通じ合うところも多いのです。