[ロンドン 16日 ロイター] - 自動車レースF1、メルセデスのトト・ウォルフ代表が、今季最終戦アブダビ・グランプリ(GP)で逆転負けし、最多8回目の個人総合優勝を逃したルイス・ハミルトン(英国)の未来を危惧している。

メルセデスのハミルトンは、総合首位を争うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン(オランダ)とドライバーズポイントで並んだまま12日のアブダビGPに臨んだ。

ポールポジション(PP)からスタートしたフェルスタッペンをかわし、レースはそのままハミルトンの優勝で幕を閉じるかに思われたが、終盤のクラッシュによるセーフティカー導入で戦況が混迷すると、フレッシュなタイヤに履き替えたフェルスタッペンに最終周のスプリント勝負でかわされ、劇的な逆転負けを喫した。

ハミルトンはレース後に短いインタビューに応じたものの、記者会見は行わず。レース以降、公の場で発言していない。15日にはロンドン郊外のウィンザー城で行われた式典で、現役のF1ドライバーとしては史上初めて、ナイトの称号を授与したものの、その後にもコメントは出さなかった。

ウォルフ代表は16日、「日曜日(12日の決勝)で起きたことを消化するには長い時間を要するだろう。われわれがあの敗戦を克服できる日は来ないと思う。ドライバーだったハミルトンならなおさらだろう」とし、「私たち2人、そしてそのほかのチームのメンバーがこの出来事を乗り越えられることを強く願うが、彼が日曜日で受けた痛みと苦しみを克服することはないだろう」と述べた。

ハミルトンはメルセデスとの契約を2年残しているが、ウォルフ代表はハミルトンが来年もレースを続けるかどうか聞かれると「彼は史上最高のドライバーなのでレースを続けてほしいと本当に願う」と語り、去就は不透明であることを示唆した。