グーグル、ワクチン接種規則違反の社員を最終的に解雇へ=報道
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これによりグーグル側に従業員を失うデメリットは発生しますが、企業内でのリスク管理の観点から設けられたルールであり、米国における法的要件も逸脱しないように見受けられます。米国ではすでに大規模の企業ではワクチン接種が就業規則(コンプライアンス)に紐づけられるようになっていますので、その規則に則ったうえ、期間を与えての対応ですので妥当だと思います。従業員側はルールを拒否したいなら同社で働かなければよいこととして扱われるだけのことでしょう。以下に関係を整理します。
1 雇用主と従業員の関係
従業員がワクチンを接種しない自由があれば、雇用主にもワクチンを接種できる従業員に対しワクチンを接種させる自由もあります。双方の契約に基づいて雇用関係が成立するという考え方で接種の選択・非選択が始まっています。すでに医療機関や航空会社が従業員に対して新しい就業ルールを通知し、ワクチンを接種しない方に対する解雇や一時帰休もはじまっています。
2 公衆衛生に関する考え方
接種することによるメリットとデメリットを考えて2021年2月に成人に対してワクチン使用の「緊急使用許可」を出していました。この時点で接種は任意でしたが、2021年8月に「正式承認」に切り替えました。同時に「緊急使用許可」の対象年齢範囲も臨床試験の成果に基づき、「認めるべきと考える対象」には認めています。ワクチン使用による副反応で人によっては健康被害を受けます。副反応は確率によります。誰に起こるか確実にわかるものではなく、場合によっては極めて不幸な結果が待っています。しかしながら、全体としては投与した場合のメリットが上回るため社会全体として接種が進められています。経済も回しやすくなるため、これを含めると効果は非常に大きいでしょう。
米国は背景に差別的な歴史を持つ国ですので、ルールとしての「差別禁止」には大変厳しいため、「宗教上および医療上の理由」は除外対象として配慮されますが、自由意思により接種できる方が接種しない場合は「契約不成立」として解雇の対象になるでしょう。
経済を動かす意味では米国の対策は強力です。日本では接種の義務化への追随の動きは今のところ見られません。両国は契約思想と合理主義的思想が異なり、日本で終身雇用が既得権益として理解されていることからも、日本で米国ルールに反対する方はみられるでしょう。なかなか難しい判断をさくっとやるところに驚きです。
経営陣にしてみれば、事業継続に関する危険分子という認識なのでしょうか。
それほど従業員個々人のミッションが明確な現れなのかもしれません。だからこその高い給料。
ところで今年の初めに結成された労働組合の意見はどうなのだろうか?