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例えば潰瘍性大腸炎の場合、激務をこなしていた安倍元首相のような方もいる一方で、重症の場合は大腸の炎症が改善せずに大腸摘出からの人工肛門という場合もありえます。元々広く知られている疾患でもないし、さらにその中でも個別性が高のが特徴です。
この手の話題は労働者vs資本家というような、「理解のない経営者」に敵を設定したくなってしまいますが、実際に産業医としてIBDの方と面談すると、経営者や人事は両立支援という社会的な流れを理解していても、現場の同僚は、「あの人ばかり不公平」という近視眼的な発想に囚われており、会社は理解してくれても、現場では働きにくいというような相談が意外と多いのです。
病気は誰でもなりうるもの。近視眼的にそれを排除していくような発想では、回り回って結果的に自分も住みにくい社会(≒会社)になってしまう。こういうことは経営者や人事だけでなく一般社員にも幅広く理解してもらうよう啓蒙していくことが重要だと思います。
今年のWork Story Awardでイーライリリーさんの取り組みが受賞ストーリーの一つになりましたが、働く人々と周りからは見えづらい、理解されづらい"辛さ・不調"は本当に多種多様です。
https://award.atwill.work/stories2021/392/
難病は自分には関係ないからわからない、ではなくそれぞれの辛さをお互いに理解していけるようになると、環境はより良くなっていくはずです。
そこに平等であるべき論を持ち込むとこうした人を取り残すこととなります。
経営や人事で両立支援に手を差し伸べて就労と治療のバランスをとる、ワークシックバランスこそが公平、フェアだと思う。
とかく、健康な人、特段の事情なく仕事にフルパワー注げる強者の理論で自分たちのように仕事しろ、出来ない人を非効率としないように正しく権力を行使していくのが人事に関わる経営者の大事な仕事。
そうして病を抱えながら働く人が、周囲の理解を促しながら仕事と病とのバランスをとり、病があっても自分らしい働き方を選択できることを目指す考え方「ワークシックバランス」が注目されています。
今回は、2021年11月に渋谷区で開催されたイベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2021」で行われたトークセッションの模様をレポート。
登壇者の一人である「チームワークシックバランス」のメンバーで難病を抱えながら働く奥野真由さんの体験談や、ヤンセンファーマ株式会社代表取締役社長・關口修平さんが言及する「ワークシックバランスのために企業ができる施策」など、働くすべての方々に一緒に考えていただきたいテーマです。
記事後半ではヤンセンファーマ株式会社代表取締役社長・關口修平氏のワークシックバランスにかける想いについてインタビューしました。
一人ひとりの価値を最大限に伸ばせる環境を作ることを重要視する企業こそ、DE&Iに本気だ…と感じました。
ぜひ、皆様のご意見や感想をお寄せくださいませ。
皆さんの周りにも実は結構いらっしゃるはずなんですよ…病を持っていることを隠していないと、本当は病氣なんだけれど社会生活への影響などを考えて人には言っていない、という人からお話しを伺うことが意外とあります。
マーケティングもOne to One が当たり前の時代。一般消費者の個人の状況も大事にできるレベルになってきているのですから、それよりもっと良く知っている周りの仕事仲間について、一人一人の状況を細かく尊重できる環境があると良いなぁと思います。
1-on-1等のプライベートな場になると伝えてくれることも多く、やはり周りに気を遣っている様子は感じる。仕組みや制度は比較的簡単に入れられるが、文化まで変えていこうとすると、かなり腰を据えてやらないと。
これから注力すべき分野。
病気と付き合いながら仕事をする上で、入社前に知りたいことは沢山あり、OpenWorkでもいつかはこういったワークシックバランスに資するような取り組みができたらなぁと当事者として強く思います。