WHO「デルタ株からオミクロン株に置き換わる」
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ウイルスにその頭脳や判断能力があるわけではありませんが、ワクチンがゆっくり広がる世界(十分に広がらない世界)では、ウイルスを完全に制御することは難しく、ワクチンの免疫を逃れるウイルスの方が人から人へと感染が広がりやすいため、選択的にそのような変異ウイルスが残りやすくなり、既存のウイルスを置き換えていくことになります。
オミクロンでは、既存のワクチンの2回接種や過去の感染による免疫を部分的にでも避けることが初期のデータから示唆されており、またベータと異なりウイルスの伝播性も高い可能性があるため、総じてデータを置き換えていく可能性が十分にあると考えられます。
一方、3回目接種によって、オミクロンの感染も十分防げる可能性を示唆する初期のデータも見られるようになってきています。
ワクチンの供給量は未だ世界的に見れば限られる中、英語では”vaccine equity”(ワクチンの公平性)などとも呼ばれますが、新たな変異ウイルスを防ぐためには、世界的に平等にワクチンを広げることが重要な一方、一部の先進国では3回目接種が急がれているという相反する状況をオミクロンもまた導いています。
参考:
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.11.11.21266068v2
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-provide-update-omicron-variant記事に書かれているように、またこの記事以外からオミクロン株の特性として推察できることは以下の通りです。
1 感染力(極めて強い)
非常に強く空間を隔ていても感染しているケースがあるとのことです。同じ航空機内でも感染している事実があるようですので、おそらく防ぎようがないのではないかと思います。事例としては報告されていませんが、通勤中の電車でも容易に感染しない根拠は全くありません。
2 従来のワクチンの効果(相当に減弱するが補助的対応策あり)
報道を組み立てて推測すると(このような手法は科学的ではありませんので差し引いてご判断ください)、従来の新型コロナウイルスに対してワクチンの効果は約40分の1、ただし3回目の接種で従来の株のほぼ半分のレベルまで抗体の獲得能力が得られる。英国での少数例の確認では従来のワクチンでの臨床効果として70%見られた。(従来株に対する効果までは得られない)
3 毒性(極めて強いとはいえない)
それでも死亡例はほとんど報告されていない。重症例に移行するの比率はデルタ株でみられた割合の半分程度と推測されている。安全なウイルスではないが対策をして感染しても危機的な状況にはなりにくい(ただしワクチンが効きにくい)
4 置き換わり
今回のWHOで報道されています。一般論として、細菌でもウイルスでも環境適合する際に従来の勢力を駆逐するため、このような現象は「オミクロン株」環境適合力が高い(感染力が高い)ことからすると当然です。このことによって、従来株を駆逐して弱毒性のウイルスに代わる可能性はあります。上記の報道を総合すると、少なくとも相応の病原性をもったウイルスと推測できるため、常在ウイルスとして人類と共存できるようなウイルスであるとは現時点では扱われていないと思います。金融市場では極めてポジティブに受け止められていて、先週末に米国株価が史上最高値を更新する原動力になっています。オミクロン株は終わりの始まりだと思います。感染力が強いと弱毒化する。スペイン風邪が約2年でピタリと止んだのと全く同じパターンだと考えられています。全人類の朗報だと思いますね。