[東京 9日 ロイター] - 岸田文雄首相の所信表明演説に対する参院での各党代表質問が9日始まった。首相は参院本会議で、賃上げ推進のため「安倍政権時を上回る税額控除率を実現する」と述べた。立憲民主党の小西洋之議員への答弁。

首相は3年間で4000億円の投資パッケージで看護や介護、保育、幼稚園などでの収入の継続的引き上げを進めると指摘し、「さらに民間の賃上げを強力に支援するため今般の税制改正で賃上げ税制を抜本的に強化する」と強調した。

首相は8日の衆院代表質問でも、賃上げ税制を抜本的に強化し、企業の税額控除率を大企業で最大30%、中小企業で最大40%、大胆に引き上げることにした、と説明していた。

3回目の新型コロナワクチン接種に関連し、首相は米ファイザーと「足元供給スケジュールの前倒し交渉を進めている」と述べた。10月の契約締結時点で「2回目から8カ月以降の人に3回目接種する方針は決まっていなかった」とも説明した。

<憲法改正、国会議論と国民理解「車の両輪」>

首相は憲法改正について「与野党の枠を超えた積極的な議論を心から期待する」としつつ、改正の内容については「具体的議論は国会が決めることとして回答を控えた。その上で、「われわれ国会議員は、大きく時代が変化するなかにあり、現行憲法が今の時代にふさわしいか、あり方に真剣に向き合う責務がある。国会での議論と国民の理解は車の両輪。広く国民の議論を喚起し、理解を深めることが重要」と強調した。